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Posted by だてBLOG運営事務局 at

2013年11月07日

国酒の海外戦略 その2

本日朝パリから戻って参りました。
さて、パリでこそ理解し得た"国酒の海外戦略"。
特にガストロノミー大国フランスへの戦略について考えてみましょう。

1)ガストロノミー大国と対峙するための大前提と心構え
相手は世界屈指のプライドを誇るガストロノミー大国です。
世界の共通言語をもし英語というのならば、世界の社交の場での饗応料理といえば間違いなくフランス料理であり、料理界での共通言語、もしくは基本言語こそフランス語であると断言できます。そしてこの事実をを疑うフランス人はまず皆無でしょう。

更に、テイスティング、こと醸造酒に関してですが、テイスティングの手順、知識、表現方法の基本言語も当然フランス語となります。
ということはフランス言語の思考ロジックをある程度は熟知し、押さえておく必要があります。

実は"言語"を会得すると言うことは単に文法を知っていることや、よりネイティブに近くしゃべれる、といったことが重要ではなく、その文化そのものが有する思考回路を手に入れるということを意味します。

では、本題に戻ります。ガストロノミー大国はいわば、食の軍事大国みたいなもので、自分より弱い国に対し高圧的であり、けっして屈することのない強大な力を誇ります。

そういうガストロノミー大国は得てして外国には優しくありません。そもそも日本のような島国とは異なり、外国から来たものを手放しで喜んだりしません。
かれらは前提として自国で全ての食は完結すると考えており、また他国の食は基本的に必要なく、もし他国の食事を食べなければならない状況になると言うことは、それは自国が敗戦し降伏したことを意味し、文化・経済的に戦勝国に統合されてしまった時です。

そんなヨーロッパの歴史の中で現在の国は主権を勝ち取ってきた歴史をそれぞれ持ってきており、だからこそ強い信念や誇りを有しています。

特にフランスガストロノミーに関しては、外国からの侵攻に対して、まるで獅子の如く全力で戦うかのように相手を試します。
ここではB級グルメから小手調べ、というようなことな一切ありません。いきなり真剣勝負の一騎打ちとなります。
そこにはお互いの技術・知識・経験のプライドと国の歴史的背景や国の自然の豊かさという絶対的な存在に裏打ちされた自信を全面に出して打って出ます。

もしそこでフランス人のプライドをもはねのけ、または軽やかにかわし、そして一矢報いるぐらいのパフォーマンスを見せる必要があります。
しかしながら、そこでひるんでいるか、または彼らにとって訳のわからない説明に終始するようでは全く相手にされません。

彼らのプライドを動かす程の説得性を、彼らの感性や味覚でもって驚かせ、そしてさらに彼らの理論で理解できるような矛盾のない"一貫性"のある説明ができれば、かれらは一転して歓迎してくれます。

上記から、蔵元もしくは売り込みに行く営業マンはかなりの覚悟と準備をしておかなければならないということが理解できると思います。
このことは単にフランスにある日本料理店(といってもその95%以上が中国人系かユダヤ系オーナー)に多く売れているからスゴイとか、そういうマスの話ではなく、また単に星付レストランでの気まぐれやファッション、もしくは日本人客へのPRの為にたまたま短期的に導入されているのをスゴイというのではありません。

中長期的にしっかりとした国酒である日本酒が、フランスガストロノミーの中に一つの教養/標準知識として"加われるのか"もしくは"採用されるのか"が一番大切なことであると言えます。

そのために、一貫性のある論理体系を軸に、料理界のあらゆる視点に対応した論理的説明を、輸出する日本酒と合致させて売り込むことが肝であると言えます。

2)フランスに行ったらかならず訪ねるべき日本酒専門店"ISSE”
ISSEの黒田氏とフランスの思考ロジックを基に話し始めると驚くほど日本での自分の味覚の感じ方に異変がおこることを先に述べておく。
やはり味覚というものは、環境はもちろん、対峙する人間の思考と、そして感性/感受性/経験値によってかなり湾曲してしまうのだ。
本当に実に不思議な体験であった。黒田氏とはもちろん日本語で話すわけだが、言葉の背後にある思考はフランス語とフランスでの経験値をもってコミュニケーションを行う。

正直、黒田氏のセレクトした酒は、日本で、日本語の思考で観れば確実に勝山の真逆をいく酒ばかりだ。
ところがどうだ。黒田氏と飲み交わすお酒は、驚くことに黒田氏の人間性、いや彼の個性と一致する。
また黒田氏のフランスでの経験値は私を遙かに上回る物だか、やはり彼のフランスの経験値に同調する私の脳は、思考は彼を仲間であると認識する。
脳が同調し始めると、まるで黒田氏の感性が私の感性そのものになる。この不思議な状態の中で試飲する彼のセレクトされた酒は見事である。
そして思った!これこそが酒販店経営者の到達点なのではないかと!
酒は当たり前であるが蔵元や杜氏の魂が宿る。
ところが黒田氏から薦められた酒の全てには酒の造り手は消え去り、黒田氏の魂が宿っている。
つまり黒田氏がいなければ成立しない酒でありセレクトなのだ。
そしてここフランスにおいて黒田氏の存在と同じくらい、全ての酒がその存在理由を有している!日本では決して発見できなかった、フランス人の嗜好のツボが見えてきた。実に素晴らしい体験だった。

黒田氏という人間の個性の前に出されるその酒は、まるで黒田氏の子供のような酒ばかり。陳列されている酒が皆ピカピカに輝いている。
酒販店オーナーとはかくあるものと、実感した。是非とも次世代を担う若手酒販店経営者の方々には黒田氏に会いに行って頂くことを望みます。
ISSE ; 11, rue St. Augustin 75002 Paris Tel; 01 42 96 26 74

私が訪れた日、黒田氏著の"L'Art du Sake"がスピリッツのサロンにてフランスで出版された酒の本の部にて優秀賞を受賞された、実に御目出度い日であった。

ここであらためて歓待してくださった黒田氏に、ここで感謝の意を表したい。パリにて新たな発見を示して頂き、心より感謝申し上げます。  

2013年05月13日

世界一のレストラン


The World's Best 50 resutaurantsの2013年度が発表となりました。

以前ブログでも紹介いたしました勝山で一番既存の日本酒らしい純米大吟醸「伝」を導入したスペインの三つ星レストランですが、
実は新日本酒の代表格、濃蜜薫酒「元」を導入していた、との連絡が入りました。

勝山の新日本酒 濃蜜薫酒「元」を導入した、
El Celler de Can Roca は、今年見事に世界第一位に輝きました。

日本酒の世界的長所であり、日本が世界に誇る発酵文化の原点である"糀(こうじ)"にフォーカスし、
ブドウ糖の芸術的甘味の魅力を最大限に高め、洗練させたことで世界第一位のレストランに選ばれましたことは、
"酒質設計"こそが日本酒にとって「要」であることを実証できた!ということを改めて実感しており、誠に感無量でございます。

勝山は2009年より、世界中の美食のテーブルにおいて、フルコースでこそ力を発揮する酒の酒質設計に取り組んでおり、今回はこの努力が結実した!と思う次第でございます。

今回のカンロカに始まり、先月からシンガポールの新旧を代表するホテル、ラッフルズホテルとマリーナベイ・サンズと、次々と導入されております。

勝山が追求している「フルコースに合う酒質設計」とはまず、あらゆる最高級のフルコース料理の一品一品における最新の調理理論から逆算して、理想の酒質を設計します(と言いましても、私はコンセプトやデザインだけで、実現するのは後藤杜氏なのですが・・・)。宮城調理製菓専門学校の校長 勝平より進められた最新料理の本を常に読み解いております。

今年もいくつもの課題がまだまだ山積みで、一つ一つ試験しながら進み、また出来上がった酒は氷温貯蔵の熟成具合を見ながら更に酒質の具合を観ていく、まだまだ長い道のりの途中です。

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今年も開催決定!
Sake Competition 2013

HP→ http://www.hasegawasaketen.com/news/2013/04/sake-competition2013.html
6月30日夜、東京プリンスで飲んで美味い酒No1.が決まる!  


Posted by 勝山 at 21:25Comments(1)ミシュラン

2013年04月17日

ミシュラン三つ星&世界第2位に導入されました!


El Celler de Can Roca (Gerona) エル・セジェール・デ・カンロカ(ジローナ)
ミシュラン情報→ http://greenspainplus.net/news/michelin-2013/
カンロカHP→ http://www.cellercanroca.com/PORTADA/intro.htm

スペインの三つ星レストラン「カンロカ」に勝山「伝」がワインリストに載りました!

カンロカは世界ベストレストラン50 The World's 50 Best Restaurants 2011でも堂々の世界第2位。
The World's 50 BEST HP→ http://www.theworlds50best.com/

世界第2位、ミシュラン三つ星が認めた「伝」

やはり本物は本物を知るというところでしょうか!

戦勝万歳!!

P.S. 5月17日 Kappo × 勝山 @勝山館イベントでお祝いに「伝」振る舞っちゃおうかな!?

勝山shop→ https://www.katsuyama-shop.jp/products/detail.php?product_id=4


  


Posted by 勝山 at 19:08Comments(5)ミシュラン