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2013年11月04日

國酒の海外戦略考 その1

パリにて、日本酒の海外展開の今後について考える。
以下は世界のマーケットを目指す蔵元や売り込もうと販売のプロフェッショナルに対しての意見として書いてあります。

まず、売り先。
今回のSalon du Chocolatや、6月のSalon du Sakeに参加し、
また、日本は勿論、香港、シンガポール、パリでの多数のシェフ、ソムリエ、バーテンダーとの会話の中で、
今後の日本酒の売り先について以下の展望が見えてきた。
有望な先の順として;
・スイーツ/パティシエ
・高級レストラン/シェフとソムリエ、そしてレストランのバーテンダー
・富裕層またはワインコレクター
共通して言えるのは、自分の提供している技術とサービスに絶対の自信のある先。
そして、自分を感動させてくれるなら、お金を払いたい、という顧客。

次ぎに、売るための心得というか、心構えも見えてきました。
上記の売り先の対象先はみな自信家です。自分の経験、技量、知識、どれをとっても申し分のない素晴らしい才能の持ち主の方々です。
そのような方々を目の前にし、自分の製品に対して絶対とも言える「造り手の矜持」がなければなりません。
世界中に顧客を持っている上記の対象先の方々は、世界中のこだわりの顧客を日々相手にしています。
当然あらゆる角度からの評価・批評にさらされております。だからこそ彼らに対してはあらゆる角度からも絶対的な説得力のある商品プレゼン能力が不可欠となります。

3つ目が世界のあらゆるルールや、論理に則って商品説明ができるか?です。
最近感じているのですが、語学センスがとても重要となってきています。
語学と言っても巷に溢れている"ネイティブ・スピーカー"のように話そう、というのではありません。
たとえば英語。英語と言っても本場ブリティッシュ・イングリッシュとアメリカン・イングリッシュでは、
会話や笑いのポイントやセンスに、まるで大阪人と東京人(?)との会話以上の違和感があり、
実際のビジネスコミュニケーションにおいて、相互理解の点で難しさがあります。
またシンガポールのシングリッシュ、オーストラリアの英語、カナダの英語など、単語事態の意味が違っていたり、発音がまったく違っていたり、
上記の英国と米国では同じ意味の言葉のスペルの最後が違っていたりなど、例を挙げたらきりがありません。
また当然同じラテン語系でも英語とヨーロッパの大陸系、つまりフランス語、イタリア語、スペイン語には頭の中での理解するロジックが大きく異なります。
例えばですが、料理用語。特にフランス語の語彙の豊富さは圧倒的です。
一方英語での料理的味覚的表現にはフランス語を知っていると、表現にかなりの限界があることを感じます。
英語圏同士、また同じラテン語圏同士でさえ意味が通じにくいし、直訳が出来ていないという状況を考えると、日本語から各国の言葉に"直訳"は出来ないという結果が導き出されます。
更に言うと、日本語の文章表現の"直訳"は存在しない、とも言えます。
ならば、その国の言葉の似た表現や似た言葉を、その国のロジックに合致するように組み合わせ、しっくり理解できるように再構成しなくてはなりません。
ということは、実は日本酒の説明が、日本人がわかっているような理解を、日本国外の人々はほとんど理解されていないことになります。
実際、あらゆるシーンで意味が通じていなかったり、造り手が全く意図していない異なった言葉で表現されていることに出会うことがかなりの確率で行われています。
たとえば「フルーティー」という表現。けっこう皆さん、造り手さんもよく頻繁に使いますよね。
でもフランス人のソムリエのロジックからすると、非常に違和感のある説明となってしまいます。突っ込みどころ満載の表現となってしまいます。
文章で説明すると非常にややこしいのでここでは割愛させて頂きます。

4つ目。これがもっとも重要です。
よく日本酒の飲み手や日本酒通を語っている人々がいろいろなことを述べております。
酒は嗜好品なので、自由に楽しく語り合えばいいと思っております。
大抵の日本酒通は、日本酒はどんな料理にも、なんでも合うことを知っております。
ところが、果たしてそんなに簡単なことでしょうか?そして本当にその通りでしょうか?
答えは"NO"です。以下二つの理由でNOです。
1つ目は日本人の悪いクセで、自分たちはわかっている。と思っていることは大抵外国の人には通用しないと言うことを理解していないことです。
世界はそんなに日本人の味覚に同情などしません。納得いく説明をかならず求めてきます。
そんなときに「そんなのわかるだろ?」なんて言葉は一切通用しません。
相手の国の味覚の文化・歴史・調理法・表現方法・食材等、熟知していることが前提で、はじめて外国人に説明が可能となってきます。
2つ目は、日本酒はなんでも合う、といいますが、造り手から言わせるとそうではありません。
正確に言いますと、あらゆる料理と食のシーンを想定して酒質設計する。だからその料理にあってくるのです。
料理や食材の味の幅、厚味、ボリュームに合わせ、酒が料理に勝つ、負ける、または合致する。その料理のどの甘味?旨味?酸味?といったどの味わいを増幅させるのか、まとまるようにするのか、馴染むようにするのかなど、全て酒質設計の段階で念頭に入れておかねばならないことなのです。
ただ、伝統的な製法で仕込んだからどんな料理にも合うなんて、正直幻想です。
たまたま仕込んだものが、特定のいくつかの料理にたまたま合った、という結果的にそうなるというなら理解できますが、
はじめからあらゆる料理に合うという日本酒の幻想は、世界中のプロ相手に通用するわけがありません。
なので、「日本酒だから」とは外国マーケットには全くの的外れな表現としか、正直言いようがありません。
ワインは葡萄の葡萄の出来が酒質や品質を左右しますが、日本酒は全くの逆。つまり原材料の出来よりも醸造技術が優先する酒なのです。
技術が最優先である以上、ある意味、腕とセンスがものを言う料理人と同じスタンスであると言うことを自覚しなければなりません。
ここをしっかり押さえておかないと、外国人にとっては、特にプロの外国人にとってはトンチンカンな説明で終始してしまう事態に陥ってしまいます。

結論
今の日本酒の世界進出に関して、よく何処何処の都市は既に飽和状態である云々という方や表現をたまに耳にしますが、
私の意見はまだまだこれから。まだ始まったばかりです。
ですので上記の表現を言う方がいましたら、それは量販的な視点で、チープな安い商品を大量に売るだけの意見です。
ところが、真に"國酒"としての海外での認知度、教育という視点。また彼らの文化に根付くという視点では殆どの国が全くの"未開拓"状態であると断言できます。
ですので是非、マーケットをしっかりと見据えた酒造りを行い、決して相手に屈しない造り手のプライド、そして説得させるための語学センスを持ち合わせていれば必ず光明が見えてくることでしょう。
つまり、1つ目の売り先に挙げた高級レストランや富裕層に対しては、こちらもプロである以上、最高の商品をプレゼンし、同時に日本の文化・歴史的側面や日本の大いなる自然の恵み(日本酒のテロワール)についても言及する必要があります。
一方、物価の関係上、安い商品しか売れない未開の地や発展途上の国々関しては、量販的なアプローチと、長い意味でマーケット層の構築を考えているならば上記のアプローチを合わせて行うことをオススメ致します。  

Posted by 勝山 at 17:46Comments(0)イベント海外戦略