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Posted by だてBLOG運営事務局 at

2015年12月12日

牡蠣酒をご存知ですか?

牡蠣酒をご存知ですか?
今から旬の牡蠣と日本酒。
それぞれ、またはマリアージュで楽しんでも最高ですが、この二つを合体させるゴージャス技があるんですね。

それが牡蠣酒。

ビジュアル的にもインパクト大ですが、実際に試すと味も体験としても、やはりインパクト大で盛り上がります。

時間をかけてじっくりと滲み出てくる牡蠣の風味を酒で味わい、そしてまた酒を継ぎ足していく。

そして満を持して、一気に牡蠣と酒を飲み干し食べる!

ここでポイントなのが、牡蠣。

なんでもいいわけではない。

こだわりたい人にオススメの牡蠣は、

セカウマ

世界一美味い牡蠣だ!

今年リリースされたばかりの、新進気鋭の最新の牡蠣だ。

まさに世界一美味い牡蠣を目指して開発された世界マーケット支配型牡蠣であり、まさに至高であり究極の牡蠣だ。

詳しくは以下のカキペディアをご覧ください↓

カキペディア
http://kakipedia.blog.jp/2015/kaki-sake.html  

Posted by 勝山 at 01:23Comments(1)グルメ遊び心Modern酒道

2015年03月28日

番外編 マッサン最終回に寄せて


マッサン、いよいよ最終回

そこで今夜はこの二本。

初号スーパーニッカ復刻版と初号ハイニッカ復刻版
でマッサンのウィスキーへ込めた魂に触れてみようと思う。

やはりウィスキーはストレートがいい
ストレートでチビチビと時間をかけて香りと味わいに心から浸るのがいい。

とか言いながらも水をくわえたりもするが、そこは元 蔵元、やっぱりストレートが好きだ。
(マッサンこと竹鶴氏もストレートを好んでだとか・・・・)

理由はこうだ

日本酒の場合、仕込みの際に地下水を加えるが、その地下水は一度全てお米に吸収され、長期低温発酵の経過とともに再び外に溶け出す、というプロセスを経て甘美なる液体となる。

そして蔵元は米から滲み出た液体の尊さと美しさ、品格を魂で愛でる。

だからこそ後から取って付けたような"水割り"は、原酒のもつ液体としての一体感とその美しさに相容れない別の水のテクスチャーの存在を認め、許容することとなり、私なりのテイスティングの美学から大きく反することとなる。

これは元 酒の造り手側として、そして日本酒で"酒道"を極めたという矜持ゆえのこだわりからかもしれないが、ある意味たいへん偏屈で損な性とも言える。

ウンチクはさておき、

今宵はマッサンとリタ、二人の人生のアドベンチャー、そしてリタの純粋で大きな母性愛に敬意を表し、

献杯!


そして最後に、日本ウィスキーの父を支え続けたリタの心="利他の心"に乾杯。  

2014年12月29日

蔵元ブログ終了のお知らせ

ー蔵元ブログ終了のお知らせー

今回で蔵元ブログを終了させていただきます。

全5回シリーズ「未来への提言」は3回を残しておりますが、心境の変化で筆を置くことにしました。

私個人的には日本酒業界には一切の未練はありません。

8月末の決算後の株主総会=伊澤家の決定から、関係者へかけてしまうであろう多大なるご迷惑を最小限に食い止めるよう、いち早く全てのプロジェクトに急停止をかけるよう動き回っておりました。

そうして11月末を以って、酒質設計、マーケティング、PR戦略などの視界(深さと広さ)と将来へのヴィジョンの相違により勝山酒造を退社しなければならない次第となり、仙台を出ることを決意しました。

現在に至るこの短期間の間で私の環境と心境は激変しました。

今後の私の活動の一切には仙台伊澤家も勝山館ならびに勝山酒造とも一切の関係がない、あくまでも治平個人的な活動であることを予めご報告しておきます。


いままで応援していただいた皆様には心より感謝しております。

皆様、5年という長いようで短い期間ではございましたが、本当にありがとうございました。

共に新しい希望に満ち溢れた新年を迎えましょう!

それではよいお年をお迎えください。

深謝。  

Posted by 勝山 at 00:18Comments(3)ご挨拶未来への提言

2014年11月11日

5回シリーズ未来への提言 第二回 長期熟成酒で未来を切り開け!

第五回シリーズ 未来への提言
第二回 長期熟成酒で未来を切り開け!

さて皆さん、「長期熟成酒」って聞いてピンと来ますか?

なんで長期熟成をさせるのだろう?そもそも日本酒は1年以内で消費するものではないのか?ーなんてまさか本当にそう思っていないですか?

また一方で長期熟成酒とはすなわち、売れ残った酒=いわゆる在庫品を蔵から出してきて、別のラベルを付けて高く売っている?なんて思っていませんか?

さらに言うと、長期熟成酒なんで香りがキツくて美味しくない!なんて思っているんじゃないですか?

実はかくいう私も、上記のように長期熟成酒は香りが悪い、美味しくない、在庫品だと2008年酒造業界に入りたての頃はそう思っておりました。

ある人との出会いまでは・・・・・

上野伸弘(うえの のぶひろ)氏。
元トゥールダルジャンのシェフバーマンとしての10年の経験の後、長期熟成酒を広めようと日本酒業界へ転身、品川高輪口に長期熟成酒バー「酒茶論」をオープン。最近では伊豆の町おこしを絡めた”海中熟成酒"で多くの注目を集めております。

まず上野さんがプロデュースした古酒シリーズ「AFS」を飲ませていただき、続いて20年もの味醂に生クリームを表面に滑らせて乗せたシンプルなカクテルを戴いた。

ちょうどSweet Rich-Body「元」の試作をしたばかりのタイミングだったので、酒質設計的にみて上野さんのプレゼンに非常に興奮を覚えました。

AFSと味醂は早速購入させていただき、アミノ酸度、日本酒度(甘辛度/ボディー感の目安)、酸度、グルコース(甘み)、アルコール度、そして官能テスト等を行い、大体の酒質設計概要を社内で調べ上げました。

その時わかったのは、日本酒において良好な長期熟成をもたらすための基準があるということ。一つは酸度。酸度は4.5度は最低必要であるということ。
二つ目は適度な濃度=糖度が必要という事。
また高品質の長期熟成酒を作り上げる大切なこととして1)丁寧な造りできれいな酒質に作り上げる事。そして2)発酵プロセスで酵母が動きすぎて雑味の原因となる余計なアミノ酸だ出さない事と3)酵母の死臭もNGであることが判明した。

つまり、長期熟成酒たらしめんとする為の長期熟成酒専用のレシピと醸造プロセスがある!ということが導き出されたのでした。

つまりそれは私自身、いままで長期熟成酒への『誤解』があったということに目覚めました。

ー上野氏はトゥールダルジャン時代、フランス人シェフへ日本酒を認めさせようと試行錯誤を繰り返し、最終的に長期熟成酒に辿り着いたという。

そして長期熟成酒には、フランス人を恍惚とさせる不思議な力がある事に気づく。

上野氏はそこで一念発起し、長期熟成酒を世に広めようと、自分の目に適った長期熟成酒のみをセレクトした専門のバーをオープンする。
※詳しくは酒茶論へいって直接ご本人から、その熱すぎる歴史と道のりを聴いてください。

長期熟成酒と言っても、いい熟成を経た希有な長期熟成酒と、そもそも長期熟成酒にふさわしくない酒がある。
そもそも長期熟成酒にふさわしくない酒は、そもそも商品として長期熟成前に問題がある。
いい熟成を経た希有な長期熟成酒には、それなりにいい熟成と傑出した熟成があり、どちらにしても熟成に入る前の酒のポテンシャルがその質と格を決める。
本質的な事を言えば、通常の日本酒を長期熟成酒に仕立てるのではなく、長期熟成酒専用にレシピと醸造プロセスから見直し、長期熟成用に特別に酒を醸すということになります。

現に上野氏プロデュースの「AFS」シリーズは、一般の日本酒では考えられない“20年以上”も常温にて長期熟成させることが出来るという、脅威のスペックを有する!

つまり上野氏は長期熟成酒自体の商品化を成し遂げたのである!ついでに流通までも1から作り上げたのである!

冒頭に述べた、長期熟成酒って在庫品なのか? 長期熟成酒はその香りと味が悪い?という問いに関していうと、やはり通常の薄っぺらいいわゆる「端麗辛口」では長期熟成酒においてあまり良い結果は出ないと考えます。詳しい理由は後で説明します。

巷ではよく耳にしますが、日本酒マニアがタンスで一升瓶ごと熟成させたとか、ちょくちょく味見をしながら冷蔵庫で数ヶ月熟成させたとか、いろいろマイ熟成があるみたいですが、上野氏や私が目指している長期熟成酒とはそのようなマニア向けのものではなく、れっきとした商品として販売でき、しかも付加価値が高く、そして世界中の美食家を唸らせる、日本人が「世界に国酒あり!」と自慢できる高水準の日本酒であります。

では私の考える長期熟成酒ですが、以下のようなものがあります。

1. 通常の酒(純米系)を長期熟成酒にする場合
基本的に純米酒はアルコールを添加していない分、酒質が壊れやすいという前提があります。
そのために選ぶのは精米歩合云々というよりも酒質のキレイさとまとまりの良さ。
そしてそれを長期(長期の定義も様々ですが、とりあえず2年以上としましょうか)保存するのですが、ここで分岐点があります。
1-1) 10度から3度の低温での保存と1-2) 0度前後の温度帯、1-3)マイナス3度〜マイナス5度の氷温貯蔵。
上記の温度帯の違いの分岐点で確実に言える事は、蔵元の造った味をレスペクトするか、それとも自分の好みに変えるか、に分岐するという事です。

もし蔵元の味を取るのであれば間違いなく選択は1-3)の氷温貯蔵です。自分の好みを優先するならば1-1)もしくは1-2)となるでしょう。ただ断っておきますが、お酒は嗜好品ですのでいろいろと試行錯誤しながら楽しんだ方がいいに決まっています。そういう私もいろいろと試行錯誤を繰り返してきました。

長期熟成からは離れますが、こんな実験もしました。ある搾り立ての新酒を生のまま-3度、0度、5度、10度、20度の温度帯でそれぞれ3ヶ月間置いておきました。いわゆる「生熟成」(にしてはさすがに20度は高温すぎますが・・・)というものです。

すでに上記の1-1)〜1-3)での試験を行っていたので、大体の勘というか直感でどのようなものが仕上がるかは予想は出来ました。が、予想以上にそれぞれが良い出来に仕上がりました。たぶんこれを行う事で、長期熟成を行うにあたり、通常の瓶火入れしてから長期保存させたものよりも最低でも6ヶ月、もしくは1年くらい時間を稼ぐことが出来たようです。
ただし、この搾りたて生酒での熟成は結構トリッキーで、ものによっては2年すぎた辺りから熟成の良さが滞ってしまうことがありますので注意が必要です。

2. 通常のアル添酒を長期熟成酒にする場合。
ものにもよりますが、常温での熟成か、冷蔵庫の熟成と大きく二つに分かれます。
そもそも劣化しやすい純米酒系よりも大雑把な分け方となるのは、アル添酒には長期保存できるだけの醸造用アルコールという強力な“芯”がしっかり酒質を支えてくれるからです。
当然ですが、常温の方が熟成が早く進むため、色や味の変化が楽しめます。
このアル添酒の長期熟成酒について4.で後述し、ここでは簡単に割愛させていただきます。

3. 長期熟成専用の為の純米酒を造る場合。
現状において、長期熟成酒の為の完成された王道的なレシピはいまだ存在しておりません。
各蔵元や上野氏のような野心的な考えの一部の間で進化しております。
たとえば「貴醸酒」というものがあり、これは比較的長期熟成に向きます。
なぜなら仕込む際に水の代わりにお酒を入れるからです。
通常は仕込み水を全体の70%近くまで入れるのに対し、日本酒を入れます。アル添は醸造用アルコール=連続蒸留されたピュアなアルコールを添加するのに対し、この場合は日本酒を入れます。
また戦国時代の復刻版や江戸時代の復刻版の酒も実は長期熟成に大変向いています。
先に端麗辛口の酒は長期熟成に向かない、という話をしましたが、ここでピンっと来た人はすごいですね。実は『水分』つまり仕込み水の量がポイントとなるのです。
貴醸酒も復刻版のお酒も実は仕込み水の量が少ないんですね。
実は水は劣化が早いのです。
例えばこんな話があります。
15世紀半ばから始まった大航海時代、長期の船旅に水はすぐに腐ってしまったため、船には酒が積まれました。ポルトガルのポートワインやスペインのシェリー酒などの酒精強化ワインーワインにブランデーを添加しアルコール度をあげて長期間の船旅に耐えられるよう開発されました。
つまり、水そのものは非常に保存に弱いという事になります。
つまりなぜ端麗辛口は難しいかというと1)水分量が多い。2)味が薄すぎる=糖分が少ない。3)酸味も少ないの3つの主な理由があります。

つまり1)劣化しやすい水分量がおおい。2)味が薄いので水の影響が受けやすい。極端な例ですがとても甘い蜂蜜は常温で持ちますよね。非常に濃く高い糖度は劣化を防ぎます。3)ワインでも同様、酸度が高くないと長期熟成できないのは世界の常識。

そこで貴醸酒と復古酒ですが、共に1)劣化しやすい仕込み水の水分量が通常の酒に比べ少ない。2)味が濃い=糖度が高い。3)酸味が通常よりも高い傾向を示す。という共通点があります。

だんだん見えてきましたね、長期熟成酒専用酒のイメージが!

貴醸酒や復古酒の他にも仕込みの中で通常の三段仕込みから四段、五段仕込みと仕込みの数を増やす事によって相対的に水分量を減らし、糖度を上げていくという作り方もありますし、全糀(こうじ)造りというのもあります。

そしてこのように現在では長期熟成酒専用酒を、しかも常温で10年以上も健全に熟成可能なお酒が既に商品化されております。
個人的な意見としてはそのように造ったお酒は日本酒度(甘辛やボディー感の一つの指標)がマイナス80度からマイナス116度(完全飽和状態)に達し、実際の保存方法としては10年のスパンでみるならば赤ワイン専用の15〜17度くらいのワインセラーでの熟成が確実でおすすめで、これは発酵時の最高温度帯近くとなります。また10年以上20年であれば白ワインセラー専用セラーで12度〜14度と酒の発酵温度帯の中間あたりでの保存が確実でおすすめです。
またワインと張り合う意味で30年オーバーでしっかり長期で成熟・熟成し、美しいまとまりとそのお酒の本来のフレッシュな良さを追求するのであれば0度以下の氷温貯蔵でしょう。

また一方で、こちらは完全にお遊びですが、数ヶ月高温に晒してから(温泉やサウナ、ボイラー室等の高温に放置しておくというもの。ただし日光に晒すはNG)、次に常温、ワインセラー、氷温貯蔵する、という一種のランシオ(RANCIO)香(一種の高温により醸成される香りの意)をつける、という手段もあります。

ここで一旦、長期熟成に置ける保存温度帯についてのおさらいです。
1)常温:
日本酒の発酵温度帯より上です。ちゃんと酒と保管場所を選ばないと劣化熟成に陥る確率が高いです。そのため常温熟成の場合、開封時期によって当たり外れが多いようで、開けるタイミングによって酒質が大きくプラスとマイナスに触れる傾向があります。
ここで考えられるのが、仕込み水の水分の劣化しやすいという問題にはじまり、好ましくないアミノ酸が酒質に影響する場合や酵母の死臭の影響、カプロン酸等の香り成分の劣化による悪影響等々、酒があらゆる劣化要因によってマイナス影響を受けたりします。
ところが一方でアミノ酸の旨味成分が非常に好ましい状態で表面に出て、アミノ酸の旨味単体もしくは酸との相乗効果によりプラス影響を与えたり、シェリー酒やポートワイン、または極上の紹興酒を連想させるような化学的変化が良い結果を引き出す場合もあり、飲むタイミングにより非常にトリッキーな熟成と言えます。

2)ワインセラーの温度帯:
日本酒の発酵温度の中間から最高温度帯ですので、ゆるやかな時の中でわかりやすい熟成の変化が期待できます。

3)冷蔵庫の温度帯:
いわゆる10度以下の状態です。発酵温度帯としては後半の味と香りをまとめる仕上げる大切な温度帯ですので、かなり安定した状態での熟成を期待できます。

4)氷温貯蔵:
0度からマイナス5度の温度帯です。マイナス5度ともなると熟成というよりは成熟していくと言った方がニュアンスとして合っている思われるほど、非常にゆっくりです。
日本酒は瓶詰めし、火入れ後3ヶ月で酒質が安定した状態でその品質と品格が決定します。そしてこの氷温貯蔵ではその品質と品格を、いわば造り手の蔵元が狙った味わいをレスペクトし維持しつつ成熟させる事が可能です。

最後に精米歩合についても言及します。
長期熟成の場合、高精白米、たとえば8%や23%、そしてよくある35%などはそもそも長期熟成酒としては平凡な酒となることでしょう。そもそも長期熟成酒は早呑みの通常の酒では味わい得ない味の複雑さや深さを楽しむものです。そういう意味では高精白米の酒はそもそもキレイすぎて複雑性と深さへの化学変化が起こりにくい酒質と言えます。そして保存温度帯も4)氷温貯蔵を基本とし、3)冷蔵庫の温度帯ですこし遊ぶしかないでしょう。
ところが精米50%以上のお米の場合は味の複雑性と深さにおいて、長期熟成酒の意義を見いだす事が出来る酒となるでしょう。ただしものにもよりますが、精米70%〜80%でまとまりの悪い雑味の多いヘタな酒で長期熟成すると付加価値は低いものとなりますのでオススメはしません。
せっかく熟成させるのですから、付加価値が増さないと商品的にも飲んだ時にも時間がかかっているばかりにガッカリさせられる事になるかもしれません。

4. 長期熟成用のアル添酒を造る場合
これは将来に向けての大きな提案です。よって通常のアル添酒の定義ではありません。
敢えてチャレンジングに言うと『フォーティファイド・サケ』。
つまり“酒精強化日本酒”という全く新しいカテゴリーです。
近年アル添には正直追い風は吹いておりません。私なんかアル添する意義すらも、ここ数年の純米酒技術の著しい向上の陰ではもやは見いだせません。アル添はこのまま衰退の一途を辿るのでしょうか?
そこで私が提案したいのが『フォーティファイド・サケ』。名前もなんかカッコいいでしょ?
この“酒精強化”というカテゴリーは世界の共通語です。
一方”アル添“は世界へは混乱しか引き起こしません。日本お得意の「ガラパゴス化」です。
“アル添”というネガティブなイメージを払拭し、一気に世界の共通のメジャーなステージアップを目指すのです!
そこで私が考えるフォーティファイド・サケとは、もちろん常温での流通、保存が前提です。
高品質でありながら蔵から出て、日本国内をトラックで駆け巡って、船に乗って海外に行って、外国でも常温倉庫保存で、常温のトラックで駆け巡って、外国の店先やバーやレストランでも常温で保存。バーではストレートはもちろん、ロックでもカクテルでもOK。レストランでは抜栓前に氷水で冷やしてからサーブされるので酒精強化にも関わらず、食前のアペリティフ、食中、食後のディジェスティフにも供されるまさに万能酒ぶりを発揮する云々ーという代物です。
アルコール度数は17度から22度。
誰でも飲みやすいと思えるようアタックに甘いニュアンスが楽しめる一方で、十分なボディーのボリュームを確保しながらアルコールの高さを利用してキレとアフターテイストの長さを実現する。
非常にエキス分も濃く、長期熟成における味の複雑性と深さを十二分に堪能することができる。
仕込みにおいては仕込み水が非常に少ない江戸時代のレシピを採用し、精米歩合は80%〜50%といったところ。日本酒度はマイナス35度からマイナス110度と幅の広い設定により幾通りかのボディーの違いを表現することも世界を狙うならば当然用意するでしょう。

フォーティファイド・サケの保存温度帯は基本、常温となります。
ただし酒の出来にもよりますが、常温保存と言っておきながら、日本酒度がマイナス35度に近くなればなるほど赤ワインセラーの温度帯から白ワインセラーの温度帯、更には冷蔵庫の温度帯での保存が求められる場合も出てくることになるかもしれません。

造り手として、自分の酒が世界中どこに行っても自分が期待する、もしくは自分自身確信する味わいを発揮してもらいたい。そしてその自分の考える美味しい酒質を世界中の人々と共有したい。
フォーティファイド・サケは流通や売り手を選ばない酒なので、現在の純米酒系が抱えている問題が一気に解決されるとともに、造り手の理想が実現できるひとつの手段であると私は考えています。

5. マルチヴィンテージ-ブレンディド・サケを造る場合。
マルチヴィンテージ-ブレンディド・サケとは私の最後の芸術作品である”THE BRAVE SMOKER”(リリース済)と”CHINESE PHENIX”(香港にて試験用に製造)で登場した新しいコンセプトです。
基本的にはマルチヴィンテージ、つまり仕込みと年代の違う古酒(時には新酒も混ぜる)同士をブレンドし、狙った酒質を実現する、というもの。ワイン関係者には問題なく受け入れられるものです。
具体的は作業としては狙った味わいの酒質通りにブレンドし、ブレンド後に即瓶詰めを行い、即瓶火入れをし、即氷温貯蔵し品質を安定させてから出荷する、というもの。

ブレンドはそのコンセプトや最終消費のシーンに合わせてブレンドが行われます。
例えばTHE BRAVE SMOKERは高級ハバナ産シガー用に合わせてのスペシャルブレンド。
ハバナシガーを日本酒に例えるなら付加価値の高いハレのシーン用の長期熟成純米酒。
タバコはアル添酒、とくに本醸造や普通酒と言った安物の日常消費用。
なぜならハバナシガーの葉っぱ一枚づつ注意深く収穫し、数年発酵熟成された後、一番キレイなラッパー専用のキレイで高級な葉っぱで巻かれる。100%天然葉っぱである。
一方、タバコのようにどこの葉っぱかわからない葉っぱを工業的にザクザク刻んであったり、燃焼材が使われていたり、工業的フィルターが装着され、しっかり紙で巻かれていたりと、工業製品そのものである。
天然素材100%のキューバが世界に誇る紳士のアッパーな嗜みであるシガーのシーンに似合うダンディー伊達な日本酒をクリエイトするのがTHE BRAVE SMOKERの使命。
そのため高級ハバナシガーの中間から後半にかかてのスパイシーな味わいを味覚としてフォローできるよう、高貴かつ芳醇、美しさと複雑さ、第一印象のインパクトと味わいの深みを追求したブレンドを目指すこととなりました。
味わいのベースは2種類の3年ものによる強固でかつ複雑な甘みの土台を構築。その上にスモーキーなアクセントとしての6年もの古酒を据え、ただし全体の味わいの印象が長期熟成酒にみられる劣化熟成が現れないよう、対極に新酒を据え、劣化熟成が表面に現れず、逆に古酒の複雑で懐の深い味わいだけが強調されるよう非常に神経を使う微妙なブレンドを施しました。
THE BREVE SMOKERは国境を越えてハバナシガー関係者に大歓迎されました。

また中華料理専用に開発された“CHINESE PHENIX - 鳳/FENG”は、広東料理の名物料理である干し鮑料理やXO醤やオイスターソースを使用した旨味が豊富な数々の料理の口内調理前提の仕様とし、22年物古酒を使いながらも劣化熟成をまったく感じずにスイスイと飲み続けられるよう3年、2年、1年物と合計5種類の別々の仕込みの酒をブレンドし、日本酒度もマイナス40度に設定しました。そのため基本的には冷蔵庫、もしくは白ワインセラーでの保存用となりました。

“CHINESE PHENIX - 凰/WONG”では、北京ダックや上海蟹名物で紹興酒に蟹を漬け込んだ“酔っぱらい蟹”、干しエビ、干しホタテといった干した食材を多用した味が岩複雑なXO醤や濃厚な発酵調味料、濃厚なソースで味付けされたコクのある料理との口内調理用に22年ものと2種類の3年物のブレンドを行いました。日本酒度はマイナス90度と非常に安定した酒質となった為、余裕で常温保管用です。

香港でのミシュラン星付きレストランでの広東料理でのマリアージュにおいて、香港の名だたるワイン専門家やワインラヴァー達に一流高級ワインを押さえて“CHINESE PHENIX”シリーズは大絶賛で迎えられました。

このマルチヴィンテージ-ブレンディド・サケ(M.V.B.S)は造り手、飲み手双方に以下の長所があります。
造り手側;在庫が宝の山に変身!
すごく経営的な理由ですが、造り手にとってはただの在庫だと何にも付加価値がつけられないし、不当に値上げする事には良心の呵責があります。ところがこのM.V.B.S.は、最終目的の為に必要な古酒を選抜し、そして新酒も含め、最終的にパフォーマンスが上がるように仕上げます。
そうする事で在庫品に非常な付加価値をつける事が可能となります。よって在庫整理と利益率を上げるという一挙両得が可能となります。

飲み手側;驚きと興奮の体験が待っています!
ズバリ!飲み手に取ってジャストミートな味を作り出す事が出来ます。
飲んでしまえばいちいち説明する必要はありません。味わえば「これだ!これが欲しかったんだ!」と飲み手の合点がいく酒質を提案できます。
いちいち蔵の歴史やこだわり、そしてスペック等のうるさい説明をゴチャゴチャ聞く必要はもはや不要です。

以上、もういい加減文章が長くなってきましたので、ここらで切り上げるといたしましょう。

ただ単に長期熟成酒と言ってもその種類、生い立ちは様々でも、私が思うにその未来は非常に明るいと考えております。今後世界的に新たなマーケットが生まれるのではないか?ーつまりワインセラーで熟成させるという新しいムーブメントが海外から逆輸入現象が起こるのではないかという個人的な期待もまります。

そもそも私の一番の長期熟成の関心ごとは「いかにコレクターズ・アイテムになるか」ということ。私が2008年、酒造業界に入り駆け出しの頃、新宿伊勢丹で試飲販売会を行いました。
ワイン売り場と日本酒売り場を比較すると、日本酒売り場にはカゴ。一方ワイン売り場にはカートがありました。尋ねるとワイン売り場での一人の最高売り上げはなんと240万円だそうです。
その人はカートに高級ワインを一杯入れて購入されたそうです。
そうです。ワインセラーでコレクションできるからこそ、ワインは投資目的にもなるし、値が上がるのです。

長期熟成酒にはいままで日本酒が見落としてきた世界的マーケットの顧客にアクセスできる唯一の残されたチャンスかも知れません。
そしてそのチャンスにいち早く気づき、一番乗りした蔵がそこのスタンダードとなるのです。
世界は待ってます。扉は目の前です。
そしてその扉は見える人にしか見えません。
わたしははっきりと見えてます。

今回のテーマの最後に、
私にとっての理想の長期熟成酒とは、
『造り手=蔵元の"フィロソフィー"が熟成とともに昇華されている酒』で、
飲み手の魂を感動で揺さぶる"極み"に達した酒であること。


次回いよいよ中盤の第三回
「ガラパゴス化を回避せよ!若手蔵元は視野を広げる努力をせよ!」
です。お楽しみに!  

Posted by 勝山 at 02:18Comments(0)未来への提言

2014年11月04日

日本酒 未来への提言 第一回『脱 特定名称酒 論』

シリーズ第五回、日本酒 未来への提言
第一回『脱 特定名称酒 論』

これを読んでいる皆さんはたぶん特定名称酒と聞いてピンと来ることでしょうが、日本酒を口にしない約95%の日本人には全く異次元の世界でしょう。

ましてや、この特定名称酒のカテゴリー分けで、楽しい食事と日本酒のマリアージュをする際にどれほど役に立つでしょうか?

上記のピンと来る!方のほとんどが役に立たないと思っているのではないでしょうか。

また、ピンと来る!というかたのほとんどが一方で国酒と世界にPRすべきだ!と考えている割には世界の人々へ特定名称酒を説明できないのではないでしょうか?
特に香りの感じ方や味わいの違いなど、はたまた料理とのマリアージュでどれでけ外国の人に説明できるでしょうか?

さらに突っ込んで考えると、アルコール添加したお酒とアルコール無添加のお酒が特定名称酒では同列に語られていますが、世界の常識や税制からすると非常に異常な事態であることの認識をされている人が果たしてどれだけいることでしょう?

そしてこのアル添とアル添してない純米系のお酒の香り、味わい、楽しみ方、マリアージュの区別を、そして制度的内容の違い、歴史的事情等も合わせて世界の人に世界のワインラヴァーやあらゆる酒のマスターの方々に、この日本ではたして彼らの納得いくように説明できる人が何人いるか、心細い状況にあります。

なぜ私たちは、こんなに日本酒を実用的にも世界の人々にも説明できない、使い勝手の悪い名称呼称制度を使い続け無ければいかないのでしょうか?

そして特に問題なのが、この特定名称酒制度に切り替えて20数年となりますが、この20年間の日本酒の消費は下降の一途を辿り、一向にその歯止めが止まろうとしておりません。

確かに近年は輸出が好調と言われておりますが、大半の酒は安酒です。好調なのは日本料理店(特に外国人にオーナーのなんちゃって日本料理を語る安い店、稀に高級店も含むが)の世界的増加・出店等が主な理由であって、日本酒業界の取り組みが理由とは言えないことが重要です。
これはまるで日本における紹興酒と同じで、国内で中華料理店の数が増えれば相対的に紹興酒の出荷も増える、みたいな。
かと言って、紹興酒が日本国民に一般的に広く認識され普及しているかというとそうとはいえない。と同じ理屈です。

私が海外で非常に難しいと考えることは、日本国内においてマーケティング的にも、教育的にも失敗した特定名称酒ベースの普及活動とそのPR方法を、そっくりそのまま海外に持って行っても意味がないと言うこと。

世界中、何処に行っても特定名称酒制度のお陰でサケラヴァーや流通関係者等も皆混乱している。

つまり特定名称酒制度とそれをベースにした教育そのものが功を奏していないことに日本酒業界全体がいい加減気付くべき時期に来ていると思う。

では私が特定名称酒制度が要らないと思う幾つかの理由を説明します。

1)お米の生ジュースから日本酒は造られていない。ーという事実。
ワインは葡萄の生ジュースから出来てます。日本酒のように水を最終製品の70%近く入れるようなことはしません。

だからワインではその水分がくる土壌や気候、そしてその年の葡萄の出来に注目します。

前者が「テロワール」、後者がヴィンテージとなります。

「テロワール」には国によってその畑のクラスが法律で決めてあったり、そのテロワールで栽培されるべき葡萄品種の選定や葡萄の扱い方や醸造に到る作業工程にまで細かく規定されています。

ところが、でありますが、特定迷称酒は、お米の精米とアル添かアル添でないか(純米)の2次元的な分類しかない。

まず前者のお米の精米についてですが、特定名称酒では精米が高い方が、いかにも高く、高品質のようになっています。

ここで疑問が湧いてこない人は、日本人でありながら人生において“お米を炊いた経験の無い”人です。

一度でもお米をたいたことのある人、もしくは大切な人のために美味しいご飯を炊こうと努力した人でなら理解できると思いますが、

高くてブランド米を買ってきたからと言って、必ずしも最高に美味しいお米を食べれる保証がないことを知っているはずです。

たとえば、炊飯ジャーの性能、お米の正しい研ぎ方や炊き方、更に上級者には食事の目的にあった炊き具合の調整など、実はそう簡単なことでは無いこと位、心得ているはずです。

日本酒はワインのようにお米の生ジュースから発酵などさせませんし、そもそも出来ません。
丁寧に精米したお米をさらに温度調整し、仕込み水という地下水の温度に合わせてから洗米し、そのお米の使用する各プロセスに合わせた最適なお米の水分量確保のための浸漬を行い、水を切り、お米にヒビや欠けたりしないよう細心の注意を払い、正確に蒸し上げます。
この蒸しで失敗すると、それまでの努力が無駄になります。
そしてこの蒸す迄の作業=調理作業を経てから、日本の美しい軟水に蒸し米を溶かし、お米の甘味と旨味を水に吸収させていくのです。
これは日本料理の出汁を取る手順や内容とよく似ています。鰹や昆布からの雑味が出ないよう、細心の注意とタイミングを見計らい丁寧に旨味を水に移していく。つまり日本酒と日本料理はその製造プロセスにおいて同じであり、味の芯となり土台となるプロセスが一貫しているのは世界広しといえども日本くらいです。ついでに言うと此の大切なポイントを見落として申請した和食の世界遺産登録には個人的に非常に失望しています。

さて以上のように、酒もお米を炊くのと同じように、調理プロセスを経てからでないと本当に美味しいかどうか?ちゃんとそのクラスに到達しているかどうかが判らなのです。つまり調理前のお米の状態でのカテゴリー分けなど頭でっかちの机上の空論そのものです。
現に私も経験ありますが、酒米の2ランク格下の加工米でしかも70%の低精米の酒と、酒米で10%以下という非常に高い精米の酒のブラインド•テイスティングにおいて、満場一致で低精米の酒が圧倒的な支持を得ました。それ以降私の中で、精米歩合神話は終焉を迎えました。大切なのはスペックではない、造り手のセンスなんだ!と確信した瞬間でした。

上記の理由から精米歩合を前面に出すことに本質的な意味はないことがおわかり頂けたのではないのでしょうか?

個人的には精米歩合はあくまでも判断材料の一つであって、第一義的に来るものではないと言うことです。あくまでも飲んだ後に見る程度の「どうしてこういう味わいになったんだろう?」という謎解きのひとつのヒントにしかならない程度の物なのです。

ですので未だに精米歩合至上主義を掲げているようでは、いけません。
20年前ならいざ知らず、今や誰でも簡単に大吟醸が造れる技術革新が進んだ現代では精米歩合で自慢しているようでは、その蔵元のフィロソフィーが見えてきません。

日本酒は嗜好品なので、国産車のカタログのようなスペック至上主義では味気ないじゃないですか?
もっと造り手の意志や哲学に耳を傾けながら味わうような、そんな嗜みのシーンをより多く創っていくべきではないでしょうか?とつくづく思います。

次ぎに諸悪の根源、アル添/純米の同列表記です。

サケ・ラヴァーには申し訳ありませんが、世界のほぼ100%の醸造酒ファンは“ワイン”です。

一部の勝山ラヴァー以外は、日本酒という物はデイリーな安いアルコールではなく、ワインセラーに名だたるシャトーのワインとセラーで並べて保管し、ヴィンテージを楽しめるだけの崇高な嗜好品であることを知りません。

故に世界を牽引している高級酒を頂点とした醸造酒マーケットは"100%"ワインが独占しています。

その中において、アルコールを添加していないスティルワインが世界のスタンダードだとすると、アルコール添加したいわゆる「酒精強化ワイン」もしくはフォーティファイド・ワイン、いわゆるシェリーやポートワインですが、常識的にスティルワインとはカテゴリーや酒税・呼称制度が異なっています。

ということはアル添と純米ではその目的、背景、香りや味わいの基準も分けなくては、世界のスタンダードになれないこととなります。

だから世界的に見ても、アルコール全般から見た区分けや税制の区別、制度的区別にも全く即していないのです。

個人的にはアル添はまずその香りで判ります。香りの全体像が非常に不細工です。味わい、特に後味や戻り香において美しさが欠如しています。

たまには巧い造り手のアル添もありますが、一杯目以降飲み続けると直ぐにその馬脚が現れてしまい、結局飲み疲れしてしまいます。

では自分的にどうアル添酒を扱えばいいかというと、アル添はいっその事、世界基準に合わせて「酒精強化日本酒」と呼べばいい。“フォーティファイド・サケ”と海外で呼ぶのがいいのではないでしょうか?

そして思い切って、近年のワインも15度台と日本酒並みにアルコール度数を上げてきているので19-22度位の特徴のある酒を造ればいい。

ある意味、そうやって割り切った方が、消費者を熱狂させハマる酒を造れるかもしれない。

そしてフォーティファイド・サケの強みを活かし、高品質でありながら純米系では難しい常温流通・保管は当たり前で、しかも10年以上の常温長期熟成も出来る本格的な長期熟成酒を目指せばいい。

また直ぐ飲まなければ行けない酒は世界的にテーブルワイン、いわゆる安酒の類。ファイン フォーティファイド•サケとしてワインセラーで10年20年30年は熟成出来る酒質に仕立て上げれば、その地位は一気に上がり、コレクターの対象となって価格も上がり付加価値も上がることでしょう!

どうでしょうか?制度を見直そうとするだけで、日本酒の可能性が広がり、より世界のマーケットを相手にプレイできるようになるのです。

2010年頃を境に、日本酒の技術的進歩とその技術の応用と解釈にマーケットも多様性で応えられるように漸くなってきました。

よってこの先につづく造り手の活動の幅を商品開発でもって切り開くためには将来へ向けた制度改革は必要なことだと思います。

『脱 特定名称酒』

これは造り手、売り手、飲み手、日本酒を愛する全ての人の今後5年のキーワードとなることでしょう!

では全5回シリーズ、第一回はここで終了とさせて頂きます。

2回目は現在密かなブームとして認識が高まっている長期熟成酒にスポットを当てます。
第二回「長期熟成酒・マルチヴィンテージ・ブレンディド・サケで世界を制覇せよ!」お楽しみに!  

Posted by 勝山 at 18:33Comments(0)未来への提言

2014年10月30日

〆ー勝山酒造を去るにあたり、未来へ向けた最後の5つのメッセージ

2014年10月末をもちまして、私、伊澤治平は勝山酒造を去る事となりました。

そこで蔵元ブログの〆にあたり、未来へ向けた5つの提言をさせていただきます。

11月不定期に以下の5つのメッセージをもって私、伊澤治平の蔵元ブログの〆とさせていただきます。

未来への提言その1)脱"特定名称酒"論

未来への提言その2)長期熟成酒・マルチヴィンテージブレンディッドの可能性

未来への提言その3)ガルパゴス化を防げ! 若手蔵元は視野を広げる努力せよ!

未来への提言その4)流通を独自に切り開く努力を! すべては商品開発にかかっている!

未来への提言その5)未来を担う蔵元へ Be Ambitious!

11月は私の47の生まれ月でもあります。

以上、5つの提言を11月中に書き上げ、このブログは終了となります。

今後勝山酒造は長男の平蔵が12代蔵元として勝山を牽引していきます。

引き続き、勝山ならびに12代蔵元 平蔵をよろしくお願い申し上げます。
  

Posted by 勝山 at 21:40Comments(1)ご挨拶

2014年08月10日

最高級葉巻 ハバナシガーと日本酒 キューバ日本友好400年記念事業


写真提供:河北新報

ハバナシガー(世界一の高級葉巻)と日本酒の邂逅
時は1614年7月から8月の役2週間、伊達政宗公の命を受けた慶長遣欧使節団はメキシコからスペインに向かう途中、キューバはハバナ港へ寄港した。
使節団はもちろん伊達家の御用蔵が醸した酒を積んでいました。
(メキシコ、キューバ、スペイン、フランス、イタリア、ローマ、バチカンに初めて上陸した日本の酒が伊達家御用蔵の酒であった!)
既にハバナでは葉巻の生産・海外出荷拠点として栄えておりました。
つまり400年前、意識されず両者は出会っていたのです。


そして400年後の2014年8月8日、場所は東京にあるキューバ大使館。
そこにはキューバを代表してマルコス・ロドリゲス閣下、伊達家十八代当主 伊達泰宗公、ハバナシガーアジア・オセアニアリージョン代表Dag社長が一同に会しておりました。(写真中央が伊達家ご当主。ご当主の右側がロドリゲス閣下、左側がDag社長)
シガー界では伝説の男、THE GREAT SMOKERこと英国の元宰相ウィンストン・チャーチルにちなみ、
独眼竜と恐れられ天下を目指した武将らしさと400年前の海外へ船出した慶長遣欧使節団の勇気を大いに讃え、
ハバナシガーの為に特別にブレンドされた伊達家御用蔵の新ブランドを
“THE BRAVE SMOKER”と命名致しました。

ハバナシガー アジア・オセアニア地域を統括するパシフィックシガー社公認の初のハバナシガー用マリアージュ日本酒である“THE BRAVE SMOKER”には、
パシフィック・シガー社の特段の心意気によりハバナシガーでも最も由緒ある“ROMEO Y JULIETA(ロミオとジュリエット)”No.2のシガーを特別にご用意して頂いき、ROMEOのシガーリングと共に太平洋へ出帆していった伊達之黒船“サン・ファン・バウティスタ号”に掲げられた伊達家の家紋「九曜紋(くようもん)」がデザインされた400年友好シガーリングを付けた特別なダブルリング仕様に仕上げて頂きました。
コレクターズアイテムシガーとのシガー・マリアージュが満喫できる伊達ノ殿様酒のプレス発表会とテイスティングパーティーがここキューバ大使館で盛大に行われました。
大使館のシェフによるキューバ料理と大使館御用達のキューバ音楽の生演奏と共に、ハバナシガーの甘く濃厚な香りに包まれた不思議で官能的な雰囲気となり、まさに大人の社交場!そのものでした。
そのような雰囲気の中、国際色豊かな出席者の方々は一堂にハバナシガーとTHE BRAVE SMOKERとのマリアージュに酔いしれておりました。

8日当日放映されたTV東京“ワールドビジネスサテライト”でもプレス発表会が紹介されました。





放映された動画はコチラ→ http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/wbs/news/post_72423/?fb_action_ids=729937380420690&fb_action_types=og.likes&fb_source=aggregation&fb_aggregation_id=288381481237582

・SankeiBiz(サンケイビズ) 企業記事→ http://www.sankeibiz.jp/business/news/140812/bsc1408120500006-n1.htm

・YAHOOニュースBUSINESS→ http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140811-00000009-biz_fsi-nb

・河北新報 電子版記事→ http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201408/20140809_12032.html

・ブランド腕時計ガイド→ http://blog.excite.co.jp/i-watch/22703894/

・和田政宗 オフィシャルブログ→ http://ameblo.jp/wada-masamune/entry-11907406836.html

・テレビ通信→ http://hydro13intl.com/archives/1282

・勝山Facebook→ https://www.facebook.com/pages/仙台伊澤家-勝山酒造株式会社/1414747475438341?notif_t=page_new_likes

・THE BRAVE SMOKER/勝山オンラインshop→ http://www.katsuyama-shop.jp/products/detail.php?product_id=89
 THE BRAVE SMOKERのこだわりの詳細やご購入はこちらから!  


2014年08月01日

森クミ食堂、仙台出身森公美子さんの番組に『元』『暁』


仙台出身、だれもがその美しい歌声を聞いたことがあるはずの森公美子さんのクッキング番組に勝山が登場しました。

BS日テレ「森クミ食堂」にて、「元」「暁」がゲストシェフである表参道にあるフレンチレストラン ランベリーの岸本シェフにより紹介されました。

第13回では誰でも美味しく食べれてスタミナがつくレバーに頭脳快復系『元』とのマリアージュ。
http://www.bs4.jp/morikumi-shokudo/onair/13.html 第13回「元」

第15回ではスイカを使った夏料理に『暁』とのマリアージュでした。
http://www.bs4.jp/morikumi-shokudo/onair/15.html 第15回「暁」

岸本シェフとは勝山のPVに出てくる日本の食材を自由に使いこなす達人シェフです。
是非岸本シェフに会いに青山表参道のランベリーに遊びに行って下さい!
動画で楽しむ勝山酒造→http://www.katsu-yama.com/movie/index.html  

Posted by 勝山 at 19:08Comments(0)グルメメディア

2014年07月28日

マレーシアへ腕試し!

マレーシアに今後の勝山の進出の可能性を探りに行って参りました。

クアラルンプールのKL SENTRALにあるメリディアンホテルの"GASTRO"にてアジア全域のホテル関係者と地元のワイン愛好家で構成される"INTERNATIONAL WINE & FOOD SOCIETY"クアラルンプール支部のトップメンバーの富裕層の方々への勝山プレゼンテーションを行って参りました。
メリディアンホテルはマレーシア王族御用達で勝山館と同じく料理に定評のあるラグジュアリーホテルです。

イベント会場です。シック&カジュアルな雰囲気です。今回は20数名のお客様に向けてのプレゼンです。
この反応を見て、今後の勝山の輸入やホテルでの展開が決まる重要な会となりました。

今回イベントを取り仕切る大ベテランのエラン氏。最高のスタッフとの最高のプロフェッショナルな仕事が出来き、非常に心地の良いリズムの館のある会となりました。

毎度グラスの数は多いですね。今回も“ワインと日本酒の味覚体験の比較による日本酒の良さの発見"というテーマで行いました。
さすがワイン愛好家集団、皆さんの関心度の高さと知識の高さには驚かされます。

使用した酒は䴇-LEIシリーズと元-GENシリーズが中心の西洋料理&アジアンテイスト向けのラインナップ。

こちらは本日のレストランのメニューに合わせたアレンジ用のもの。

シナモンスティック、レモンピール、コニャックにカルバドスと、地元のワイン愛好家の方々に大いに喜んでいただきました。
ワインでは絶対に行えない殿様酒ならではのアレンジに皆さん大盛り上がり!
これを見たホテル関係者から「是非とも次回はマレーシア一No.1のステーキハウスで!」とのうれしいオファーを頂きました!
また参加社の殆どの方から、今すぐケース単位で購入したい!との声も頂きましたが、残念ながら販売用のお酒はありませんでした。
次回は輸入業者との流通ルートを確保した上でイベントを企画する予定です。ただマレーシアはムスリムの国なのでお酒は基本的に飲みません。
そのため輸入用のお酒は全て政府に登録制となっており4〜5ヶ月は要すると言われております。たぶん次回のイベントは半年先のことになることでしょう。

世界的なワイン愛好者団体であるINTERNATIONAL WINE & FOOD SOCIETY マレーシア支部現会長のDR. RAJAN氏。
RAJAN氏と奥様は日本に何度も来ていて日本酒へも造詣が深い博学な方で、今回のワインとの比較による双方の違いを認識できる内容に非常に感銘を受けたと大いに喜んでいただきました。奥様より「人生で最高の日本酒体験となった!」とのお褒めの言葉も頂きました。


9月には香港が世界に誇る、もっともプレステージの高い名門ワインクラブ“HONG KONG WINE SOCIETY”主催の冒険的な会が勝山を待ってます!
香港は常に中華料理で世界をリードし続けていますが、香港と言えばやはり広東料理。
そこで星付のクラッシックな本場の広東料理を舞台にサムライ酒“勝山”とトップソムリエが選ぶ最高のワインとの世紀の真剣勝負が行われます。
勝山からは中華料理専用の赤ワインのセラーで長期熟成可能の高級酒を用意し、ワインを迎え撃つ準備をしております。
HONG KONG WINE SOCIETYとBB&Rという世界屈指のワイン愛好家と2014年世界一に輝いたワイン商が見守る中での対決、すでにワクワクしてきます!
やはり人生を盛り上げるには、自ら最高の舞台に挑み臨まなくてはなりません!
吉と出るか凶と出るか、香港対決!今年一番のクライマックスとなりそうです。  

2014年06月14日

VINIV(ヴィニヴ)、エキサイティングで極上のワイン体験の巻!


写真はVINIVのFB頁からの借用です;https://www.facebook.com/photo.php?fbid=313981482100900&set=a.165142476984802.1073741831.163912013774515&type=1&theater
VINIV FB→ https://www.facebook.com/VINIVwine?fref=photo
VINIV HP→ http://www.vinivwine.com/en

英国最古で英国王室御用達のワイン商であるBERRY BROS & RUDDから日本初上陸の全く新しいワインの世界へ誘うサービス、

それが"VINIV"。

今回東京のBB&Rの主催のもと、VINIVのCEOであるSTEPHEN氏による実演と説明会がありました。
BERRY BROS & RUDD HP→ http://www.bbr.com/

何が凄いかというと・・・・・語り出したらきりがないので、上記のHPやFBをチェックして下さい。

私なりの表現とすれば、いきなりボルドーの個人ワインメーカーになれる!!

ざっくり言うとたとえばこんな感じです。

Ch. Lynch-bagesの所有する7つの異なるテロワールのカベルネソーヴィニオン、5つの異なるテロワールのメルロ-、3つのカベルネフランがあります。

ボルドーに渡って、それぞれの畑を歩き、そのテロワールと語らい、そして栽培家の手伝いをし、葡萄を味わい、葡萄を収穫します。

そして個人的にも思い入れのあるテロワールの畑の単位の初期のワインの味をそれぞれテイスティング。単なるテイスティングとは異なり、はっきりとテロワールへの個人的な絆や思い入れがそこにはあります。

葡萄畑とブドウ品種を選定し、Ch.lynch-bagesのスペシャリストと共に自分の理想のワイン、思い描くワインの将来像を共有し、ワイン造り全行程に関する詳細な計画を立て、またボルドーに来てはワイン生産工程に参加します。
発酵・熟成・ブレンディング・瓶詰めの作業の流れを追うことが出来るので自分のワインの成長が非常に楽しみになってきますね。

アッサンブラージュの際に実際にブレンドを試飲し、アロマやテクスチャー、バランスを見ながらブレンド比率をVINIVのワインメーカーのスペシャリストと最終決定します。その際のスペシャリストには例えばCh.LatourやCh.Mouton, Lafit, Margauxといった五大シャトーのコンサルタントを行っている凄腕の大一級のスペシャリストからのアドバイスももらえるという夢のような体験が待っています。

ワインが熟成している間にはラベルをデザインし、自分用にカスタマイズできます。専門のグラフィックデザイナーを交え自分だけのとっておきのワインのデザインを行います。またラベルの他にコルクを個性的なものとしたり、木箱の仕様を考えたりと、いろいろなオプションもあります。

自分専用の酒樽(約288本)から世界にひとつしかない自分だけのボトルが仕上がります。

またこのvinivのメンバーとなると、9月のボルドーのワイン畑を駆け巡るマラソン大会への参加や、Ch. Lynche-Bages主催の世界中のディナーイベント、BB&Rの主催するイギリスや香港でのイベントにも招待され、世界中屈指のワインラヴァー野郎の集まり社交&遊びの場に参加することができます。

日本のワインイベントやワイン会では味わえないテロワールの農作業から優雅な社交まで一気に世界中と繋がることを意味します。

ワインではこんな素敵な体験を用意し、世界中の成功者であるワインラヴァーを喜ばしています。

日本酒や現在試行錯誤されている蔵元ツーリズムを遙かに超えたスケールで展開するワイン業界には、やはりまだまだ多く学ぶところがあります。

話題は変わりますが、品川にある「酒茶論」の上野さんによる海底熟成酒が話題となっております。

江戸時代以後途絶えた長期熟成酒を復活させようと日夜奮闘しているすばらしい人です。

上のVINIVのStephen氏がもっているお酒のデザインとグラスに入っている酒は私なりの上野さんへの新たな回答です。

実は今回の海底熟成酒のお誘いをお断りしてしまった経緯があり、そのような思いの中、勝山として、伊達家御用蔵として出来ることはないか?

その答えがこの写真のFBの記事の中にあります。勝山のチャレンジはまだまだ続いております!  


2014年05月06日

3月-4月ダイジェスト

今日GW最終日、そういえばブログもここ一ヶ月半更新しておりませんでした。
というわけで、3月から5月前半までのダイジェストです。まずは海外から!!

トップバッターはこの御方。次期スペイン国王のフィリペ皇太子とのツーショット。
私が身長175cmなので、皇太子の長身ぶりがうかがえます。皇太子殿下らしい暖かくも威厳あるオーラが漂ってました。


次が2013年世界No1.つづく2014年は世界No2.のレストランオーナーシェフである今を輝くスペイン料理界のトップランナーであるJoan Rocaシェフとのツーショット。
昨年から引き続き毎月勝山「元」を80-100本購入していただいているお得意先。大変感謝しております。


三人目は2013年スペイン最高ソムリエのPilar Cavero女史。4月1日に行われたヨーロッパ3大食品見本市Alimentaria2014において、一緒に日本酒について講義を行いました。とても感性豊かで、しかも若い!!(20代の若さでスペイントップ!!)。共に仕事を出来て誠に光栄でした。


在バルセロナ日本国総領事館 折原首席領事を囲み、慶長遣欧使節団400年を記念してバルセロナで活躍するシェフや日本酒ブロガーとのショット!
スペイン-日本 友好400年記念はますます盛り上がっております。



4月1日のAlimentaria2014での日本酒講義でのショット。
慶長遣欧使節団400年の節目として、ヨーロッパに初めて紹介された日本酒が実は伊達家の殿様酒であったこと、
そして初めて日本酒がヨーロッパに到着した初めての港が、スペインのサンルカール・バラメーダ。実はシェリー酒の産地でもあります。
400年前、シェリー酒と日本酒の邂逅があったんですね!

続いて国内でのダイジェスト・フォトです。

でました!一條一平氏。20代目鎌先温泉湯主一條一平を襲名しました!そのお目出度い襲名披露式でのショット!
代を継ぐ重みというもの、そしてその熱く深い思いに感動しました。


アンジェラ・アキさんと勝山「縁」のツーショット!
仙台ツアーを終え、帰りの新幹線グランクラスで仙台でのお疲れ様の一杯に。
仙台泉ヶ岳の水で育ったひとめぼれ米と同じ水の仕込水で醸したまさに仙台のテロワールを映す酒「縁」、仙台の最後を飾るにふさわしい酒となりました。


東京はお台場のグランパシフィック メリディアンの鉄板焼き「浜木綿」での勝山イベント。
会費3万円と東京らしい価格の中、V.I.P.オンリーのプレステージの高い参加者満員御礼で執り行われました。
丸山料理長ほかメリディアンのソムリエの皆様からバーテンダーの方まで総動員で、まるでメリディアンの総力を上げてのサービスは見事としか言いようのないかつて無いほどのそれはそれはとても凄いものでした。完璧な布陣、完璧なサービス、完璧な手際の良さ、日本酒の完璧な温度帯、そして丸山料理長の見事な料理等々語り尽くせないほどに最高すぎる内容でした。
途中ワインとの比較も行いながらも勝山がいかに肉料理に合うのかを証明できたうれしいイベントなりました。




ダイジェストの最後は、在外フランス人連合会主催のフランス人100名出席による日本酒の会をお手伝いさせていただいた際のショット。
主催者のセバスチャン氏はフランス人初のモダン酒道マスターでもあります。
在外フランス人連合会への初めてのチャレンジということで、企画からいろいろとアドバイスをさせて頂きました。
今後とも在日のフランス人コミュニティーに日本酒の楽しさ、凄さを実感してもらえるイベントをセバスチャン氏とともに仕掛けていきます!

以上、長々とご高覧ありがとうございました。  

2014年03月22日

メキシコ− 仙台宮城日本400年友好記念


皆様方、知っておりますか?
メキシコと日本の交流400年ということ。
そして初めてアメリカ大陸にもたらされた日本酒が伊達家の日本酒であったことを!

つまりメキシコは伊達家の日本酒がはじめてアメリカ大陸に上陸した地なのです。
それも400年前、しかも公式な外交団の酒として・・・・・

その両国のお目出度い祝いの盃式とし、『伊達家御家流酒道』のなかの"酒点前"による『祝杯式三献』が、宮城県副知事主催の晩餐会の席上にて行われました。
「式三献」は武家に伝わる食前における作法であり、お互いの消息を確認し、敬意を払い、友好を深める意味をもつものです。
この度は両国の更なる友好と発展の歴史が継承されいくことを記念するものです。

主賓はトーレス連邦上院アジア太平洋外交委員会委員長

伊達家十八代ご当主の執り成しにより、ローレス上院議員と三浦宮城県副知事による儀式と相成りました。

12-3分の儀式でしたが、両国の絆を深める素晴らしい機会となりました。


脇差しの小刀にて封を切ります。脇差しを差しながらの点前は酒道ならでは。


武士の伝統に則り、長柄の銚子にて酒を伊達家御家流酒道用"馬上杯"に注ぎます。
左に見えるお仕覆は"仙台平"にて特別に仕立てられたもの


右より三浦副知事、トーレス上院議員、伊達家当主。背後には伊達家之軍旗『勝色に金の日輪』


ご挨拶の後、「千称万歳(せんしょうばんざい)」の言葉に続き、全員「万歳!」と唱和します。


晩餐会殿全員での記念写真です。中央がトーレス上院議員夫妻。


日本酒のテロワールである"水"を見に泉ヶ岳山頂へ。メキシコでは雪が降らないのでトーレス上院議員夫妻共々大喜び。


トーレス上院議員、殿様酒の仕込にチャレンジ!


トーレス上院議員、旧上杉蔵の屋敷にて伊達家の兜をかぶり至極ご満悦のご様子。


トーレス上院議員がお気に入りの伊達家伝統の紫蘇酒に炭酸充填をしたスパークリング紫蘇酒で始まるモダン酒道ランチ。


市内で唯一の杜の都のトレードマークである"屋敷林"がある勝山館の庭園の蔵舞台の前で、トーレス上院議員夫妻とのショット。
偶然、勝山館にいた仙台藩作法の同門である和田政宗議員も食事後のカフェの合間にトーレス上院議員にご挨拶。
  


2014年02月17日

鉄板焼きde Modern酒道イベント案内


とうとう日本が世界に誇る"鉄板焼き"との待ちに待ったコラボレーション・ディナーを開催します。

グランド パシフィックお台場の「浜木綿(はまゆう)」の丸山料理長が腕をふるう王道の鉄板焼き定番料理の数々に、

殿様酒の遊びの数々が飛び出す、20名様限定の鉄板焼きをトコトン飲み尽くす!スペシャルイベント。

鉄板焼きとあって、今回は通常ではなかなか体験できないModern酒道技も登場。国酒の懐の深さを垣間見る事が出来ることでしょう!

日時:3月25日(火曜日) 19時丁度スタート
場所:鉄板焼 浜木綿(ホテル グランドパシフィック お台場)
料金:3万円
予約:浜木綿 03-5500-6606 (先着20名様限定)
HP: http://www.grandpacific.jp/restaurant/details.php?atg=20140212121723&preview=on  

Posted by 勝山 at 17:35Comments(0)イベントModern酒道

2014年02月14日

シンガポールの日本紹介番組出演!



16日、日曜日午後6時より、シンガポールの日本紹介TV"Hello Japan"の番組

「夢ここち Pure Japan SAKE JOURNEY〜杜の都伊達な酒蔵編」にて

伊達色の食と酒文化、そして勝山のテロワールである泉ヶ岳を空からご紹介。

もちろん伊達武将対も見参です!

シンガポールの方、または丁度行かれてる方、是非是非観てくださいね!

番組の内容です。シンガポールは公用語が英語ですので、頑張ってお読みください。
Synopsis
In the city of trees, Sendai lives a man who can brew the best sake for any meal, be it French, Italian, Chinese, or any other world cuisine.
The Katsuyama shuzo brewery, founded in 1688, once served generations of Date clan leaders. As their official supplier of sake, this brewery has elevated the culture of sake brewing to a new level in Sendai. In such a well-established sake brewery, a revolutionary who is breaking with convention has appeared. He is the 12th generation master brewer, Jihei Isawa.

What Mr. Isawa lauds is a new way of enjoying Japanese sake he calls “Modern Sake Road.” But at the base of this method lies the spirit of the Samurai Lord, Masamune Date. Lord Date was known as a great intellectual and a man of varied interests. On the special events, he had special cuisine, such as meat dish which could have been a game of his hunting and he was known for demanding “modern sake” to go with any meal.

In this program we explore the Date food culture of this historic castle town while introducing the best ways to enjoy delicious food with a new style of sake. From sake served in wine glasses to the ultimate in first class Japanese sake, we take a trip to see the newest in sake-making of this brewery that is breaking all the sake stereotypes.
  

2014年01月31日

勝山「鶏」専用酒、出撃〜!


APカンパニーの代表店舗で全国展開している「塚田農場」、仙台では「じとっこ組合」にて、

地鶏専用酒 勝山「鶏」ささにごり生酒を特別にリリース、

1月後半から3月上旬の期間限定でお楽しみ頂けます。

「塚田農場」「じとっこ組合」の名物料理である「じとっこ焼」専用に開発された特別限定酒「ささにごり生酒」

宮崎日南市の超レアな地鶏をクワを模した特製の鉄板で調理するという、迫力の火炙り料理です。

今回の「鶏」ささにごり生酒は、”ささにごり”に徹底的にこだわった逸品。

迫力ある火炙り焼による鶏の脂の焼け焦げた焦げ臭と香ばしい香味、そして日南市地鶏の滲み出る旨味に合わせた絶妙の"にごり"具合に仕上げました。

通常の生で、氷温貯蔵でも搾った後2週間で生熟成の香りが出て、酒質全体が膨らんできます。

一般的には生酒は2週間が過ぎると「生老香(なまひねか)」という、およそ万人向けのしない不快な、まるで"酒の加齢臭"みたいな不快感が漂います。

ところが今回の「鶏」ではまず生酒として2ヶ月〜3ヶ月ブレが出ないよう、しっかりとした糀造りに徹し芯の強く、勝山のお家芸とも言えるキレイな酒質に仕上げました。

また上記の"生老香"はキレイな米の旨味を引き出した芯の強い酒に対しては、酒全体的に膨らみを与えます。

その生熟成をさらに薫り豊かにシルキーに表面を包むのが「ささにごり」の役目。

このシルキーな「ささにごり」効果により、名物"じどっこ焼"の香味と染み出る旨味にジャスト フィットする味の幅を持たせることに成功しました!

今回はさすがの後藤杜氏も、かなり神経をすり減らした逸品となりました。

モダン酒道的楽しみとしては以下の通りです。

1)王道、掛け酒と先手飲みで味わい尽くす。
  "ささにごり生"を"じとっこ焼"の食べる地鶏肉にかけ、それから先手飲み(先に酒を口に含み、口内の粘膜を全て濡らしてから飲む)して、直ぐに掛け酒した地鶏肉を喰らう!

2)レモンピール技で洗練された味わいを堪能する。
  ステップ1:レモンピール(レモンの皮の薄切り(厚さ3mmで直径2cmの大きさ))を用意して貰い、レモンの皮を下にして"ささにごり生"のグラスの中で搾る。レモンピールは酒に入れないで、搾ったらかならず取り出すこと。
  ステップ2:レモンの華やかでリフレッシュな香りを楽しんだ後、王道の掛け酒→先手飲みで、じとっこを徹底的に味わい尽くす!

じとっこ組合 仙台店:国分町は稲荷小路、仙台っ子らーめんの2階です。
http://r.gnavi.co.jp/t240907/  


2014年01月24日

勝山ダブルブラックポーク完成秘話 其の一



左から宮城調理製菓専門学校を代表する仙台宮城フレンチシェフ模範である千石先生と宮城は和食の大親分である沼田先生、そして勝山ソーセージマイスターの早坂シェフ。

一枚目の写真は勝山の純米大吟醸 "黒粕"を食べさせて育てた黒豚、

その名も「ダブルブラックポーク」

"黒"粕 × "黒"豚、ダブル・ブラック

黒粕とは「DIAMOND AKATSUKI」「暁」の酵素力が通常の日本酒のを遙かに超える、ハイパーな酵素力の酒粕のこと。あまりに酵素力が強すぎて、直ぐに黒く変色してしまうことから"黒粕"と呼ぶ。

今回が一頭目、初めての試食です。すこし若い状態での試食となりました。

ダブルブラックなので一層腹黒く濃い味を期待していたのですが、

豚の味というのは“腸内環境”に影響されるらしく、

実際、この若い黒豚、通常の黒豚と比べて非常にキレイな味でした。

“腸内美人”ならぬ“腸内美豚”となりました。

ヒレ、ロース、肩ロース、バラの部位をそれぞれしゃぶしゃぶ、フライパンで焼く、生姜焼き、とんかつ、カツ丼等々いろいろな調理法で味を比べてみました。

初回の印象としては、たぶんフランス人に「これ、日本の仔牛だよっ」って言ったら、本当に日本の仔牛なんだ!って勘違いしちゃいそうなキレイで優しい味わいでした。

来週には二回目のダブル・ブラックポークが届きます。こちらは通常の黒豚を出荷する重さ。

また三回目は初回の結果を受けて、1ヶ月更に生育期間をのばして肉に味をのせるようにします。

乞うご期待。  

2014年01月08日

明けましておめでとうございます。


新年明けましておめでとうございます。
本年も勝山、宜しくお願い申し上げます。

勝山酒造では、昨年の仙台産ひとめぼれの出来が高温障害が無く、品質の良いお米で仕込んでいるため、
現在仕込み、出荷している「縁」「戦勝政宗」「仙臺駅政宗」は近年の中では最高に良い出来です!

また勝山食品販売部では、1月より新ブランド"GENPHOODS(ジェンフーズ)"を立ち上げます。
新ブランドとはいってもリバイバルのブランドで、その昔、上野精養軒→仙台精養軒→GENPHOODSといった流れでプロが選ぶ高級食材店舗が1984年から2003年まで仙台上杉にありました。
初回はその長年の伝統で培ったノウハウを注ぎ込んだソーセージの最高峰にして当時のヒット商品であった"ストラスブール"を復活させます!
その他、当時の人気商品であった"白ソーセージ"を無添加の豆乳でよりヘルシーに仕立てた"ソイ・ホワイト"や、
豚肉の他に鶏肉を入れ、よりライトな食感で、いくらでもパクパク食べられる"シルキーウインナー"も発売します。

"GENPHOODS"ブランドは勝山のHPでは1月15日にUPし、販売は1月後半からスタート予定しております。

日本酒業界では本物の"純米酒"が元気なように、工業製品ではなく手造り本来の姿に戻りつつあります。
ソーセージ業界も添加物や日本酒で言う所のアルコール添加といったような工業的に補う技術を一切廃した製品造りが今後ますます求められていくと考えます。

化学調味料使用など言語道断!職人の腕、匠の技を完全否定する行為です。
ソーセージでは当たり前に使用されている結着剤・発色剤の使用など勿論論外です。
また質の悪い肉質では肉がよらず結着しにくいので、卵白、水飴、小麦粉等のつなぎの為の代用品を使用するとか、
肉の味が悪いので、酵母エキス、ポークエキス、はたまた馴染みのあるカツオや昆布エキスを入れるなど愚の骨頂です。

そこまでして、消費者に悪くなった肉を無理矢理食べさせたいのでしょうか?
また消費者を"安い"という目くらましで強引に納得させる時代も終わりました。

純米酒がお米の味のエッセンスを追求するように、ソーセージも豚肉本来のクオリティーから出る豊かな味わいを追求すべきです。
そういう意味で、味も"人工的に作られたソーセージの味"ではなく、原材料の"豚肉の旨さを存分に味わえる味"を追求すべきです。

やはり"造り手"として日本酒もソーセージ造りもその"心"は同じなのです。

GENPHOODS、これからも宜しくお願い申し上げます。

  

Posted by 勝山 at 13:45Comments(3)日本酒ソーセージ

2013年12月24日

ハッピーバースデー仙台!!

伊達家ノ大切な行事の一つに
12月24日"縄張りはじめ"の日(仙台築城 開始の日) の日の出を拝みに参ります。

今年も十八代当主と共に仙台城に登城し、日の出を拝んで参りました・

政宗公の仙台城築城ならびに1613年の震災後の復興に賭けた思いと決意を、日の出の光と共に共有して参りました。


6:00 暁の弦月 @政宗公騎馬像


6:53 仙台 誕生日の日の出 @仙台城


8:00 仙台誕生日"縄張りはじめ"を記念して"酒茶漬け"を振る舞いました。w仙台藩作法の皆様と

上記の「仙台バースデー! 奈良漬け 酒茶漬け」のレシピです。
1)炊きたての無農薬新米を器に盛る。
2)奈良漬けと塩抜きしていない数の子(しょっぱい梅干しでも可)をご飯の上に盛る。
3)冷蔵庫から出し、30分常温に置いた若干冷えた勝山「䴇 サファイア・ラベル(3,500円)」を奈良漬けの上からナミナミと注ぐ。
4)奈良漬け等をしっかりと"酒浸し"にして3分待つ。
5)䴇サファイアを"先手飲み"してから食す。
完璧な酒茶漬けを目指す方へ、同じ水源の環境保全米ひとめぼれ"伊達家本石米"とのセットはこちら→ http://item.rakuten.co.jp/katsuyama-shop/r1100/
勝山「䴇」UMAMI FULL BODY シリーズ→ http://www.katsu-yama.com/products/lei_list.html

※伊達家御用蔵豆知識
初代御用蔵として迎えられた杜氏は奈良出身。つまり奈良漬けが仙台にもたらされたとも考えられます。
まさに縄張りはじめにふさわしい茶漬けと言えますね。  

Posted by 勝山 at 19:55Comments(0)伊達家行事

2013年12月11日

國酒の海外戦略考5 2013年総括編

國酒の海外戦略考 其の5は2013年で私が海外で感じた総括編です。

まず、海外戦略で絶対外せないのが"チーム造り"です。
このチームがない以上、蔵元は海外に行ってはいけません。ただ海外視察旅行ならいいですが、
ヘタにブース出店やプロモーションを行ったとしても自己満足で終わってしまい、絶対と言っていいほど次ぎに繋がりません。

1)"必ず次ぎに繋がる"ためのチーム造りをご説明します。
まず事前に選定する必要があるのが
・日本側の輸出業者
・相手国側の輸入販売業者
の二つです。

・日本側輸出業者との関係造り
   取引前に蔵に最低2回は通い毎年1回は最低通わせる。
   蔵元の理念、理想、酒質コンセプト、酒の取扱、酒の飲ませ方、販売戦略、価格戦略の共有。
   酒の管理体制
   輸入業者に対しての対応の一切について常に情報共有・対応・対策ができる体制作り
   素早い対応と細かい対応が出来る関係造り

・輸出先側輸入業者兼卸/販売会社の選定条件
   ・冷蔵設備と冷蔵配送設備の有無の確認
   ・地元営業スタッフの営業展開状況とスキル、業者とのグリップの深さの確認
   ・優良顧客(個人/法人)リストの有無
   ・地元の有力者/有力企業グループとのパイプの有無
     飲食店・酒業界のキーパーソンとの横と縦のつながり
     地元を牽引している有名店とのパイプ
     地元有力財界人、有名人とのパイプ
     ※今年はでデビット・ベッカム氏と妻のヴィクトリア氏にダイヤモンド暁と暁を飲んで頂きました。
      → http://shozankan.da-te.jp/e579432.html
     その他有力地元ワインクラブ等、ワイン関係者とのつながり

   ・地元有力マスコミとのパイプ
     パブリックリレーション能力があり、情報発信力があるかどうか?プレス関係者をどれだけ集められるか?
     →蔵や輸入業者が広めたい情報をマスコミにPRするだけの力があるかどうかが鍵。
     →勝山では今年は以下に掲載されました。
    ※どの国に行っても同じですが、そこの国のジャーナリストの視点でいかに"書きたくなる、紹介したくなる情報・トレンド"を提供出来るか!?がマスコミに登場する一番の鍵だと確信しております。
    ・12月シンガポール有力紙新聞 日曜版
     THE STRAIT TIMES / THE SUNDAY TIMES
     http://shozankan.da-te.jp/e639540.html
    ・11-12月香港有力新聞+ワイン専門誌2誌
     Apple Daily
     http://hk.apple.nextmedia.com/financeestate/art/20131212/18547434
     WINE TIMES
     http://winetimeshk.com/%e4%b8%80%e7%9d%b9-katsuyama-sake-%e5%8b%9d%e5%b1%b1-%e6%b8%85%e9%85%92%e4%b9%8b%e6%99%82%e5%b0%9a%e9%85%92%e9%81%93/
     Cup Magazine’s wine supplement: 2 pages
    ・8月メキシコの有力紙新聞
     REFORMA
     http://shozankan.da-te.jp/e588898.html
    ・7月フランスのグルメ専門ネット新聞
     TERROIRES DE CHEFS
     http://shozankan.da-te.jp/e580149.html
    ・4月フランスにて酒紀行小説"Sakes"に"J"として文中・写真に登場
     http://shozankan.da-te.jp/e558044.html
    また、現在シンガポール向けケーブルテレビの撮影が入っております。

2)販売戦略についてご説明します。
ここでは主に"ブランド化"についてお話しします。

ブランド化と価格戦略は非常に密接に繋がっております。

勝山の場合、レギュラー商品と高級酒の二本柱ですが、基本的にはブランド構築を優先する場合、やはり高級酒を前面に押し出すようにします。
つまり、超高級酒を押すことで、レギュラー版は自然に導入されるようになるので特段レギュラー版(普及版)の為のプロモーションは行う必要がないからです。

ただここで注意をする必要があります。どれ位の期間をかけるか!これを予め定めてないと大変なことになります。
そのために事前、ブランド展開開始時期、途中経過で輸出・輸入側双方との綿密な対話と戦略が必要となります。

やはりブランド戦略を行うためには3〜5年のスパンという中長期的視点が必要となるため、蔵元もただ出荷して終わりというような国内同様に簡単に考えてはいけません。
最終的に顧客に酒がどのような状況下で、また顧客がどれだけの期待感をもって手に入れ、飲んでいるかまで、輸出・輸入業者と話し合っていなければなりません。ある意味、とっても辛抱しなくてはならない状況が長く続きます。焦りは禁物です。

販売ルート関して、まず以下の選択肢があります。
1)小売優先:地元百貨店・スーパー等の店頭で売る場合。もしくは地元ワイン店でおかれる場合もあります。
2)料飲店専門優先:小売をせず、料飲店に特化し、限定感をマーケットで演出。また取引して頂く店舗にも限定感があり売りやすくなる。
3)優良個人顧客販売優先:年間数千万円購入する優良顧客向けの販売です。超得意客限定販売のようなかんじでしょうか。
4)上記のミックス;"1+2"または"2+3"

ここで海外特有の販売ルートによる問題点をいくつか上げておきます。
まず、その国のレストランでの酒の販売方法を確認します。
たとえば、香港やシンガポールでは持込が多いという習慣があります。

このような場合、小売や個人販売とレストラン両方で売ると、安い小売で購入し店に持込む。店の売上げがさっぱり上がらなくなる。といったような問題が日常で当たり前に出てきます。このような状況が続くとお店は酒の販売意欲を削がれていき、深刻な問題となります。
この場合、ブランド優先にするのであれば、レストラン優先、しかも高級店舗のみと非常に限定をかけ、"レア感"を演出します。
そうしながらコアなファンを着実に作っていきます。

香港やシンガポールのような小さな街では情報の行き来が早いので、ある意味1年〜2年でブランドの定着が可能かもしれません。
その次は限定的に優良顧客のみへの販売となり、富裕層向けの完全定着を狙います。3年から5年はかかるでしょうか。

そして小売は・・・・・・これはブランド化では非常に難しい問題です。よほどの事がなければやらない方が得策と言えます。
よく、直ぐに棚において貰いたい蔵元も多いのも確かですが、棚に並べるのをゴールと思ってはいけません。ここからが勝負の始まりです。
特に小売の場合ではタダ陳列するだけでは差別化できませんので、専用の冷蔵庫や専用の装飾をした棚に入れなければならないでしょう。

たしかに輸出国の輸入販売業者がどの販売ルートや販売展開が得意か事前に販売現場と保管冷蔵庫等も確認し、販売ルートとその戦略をしっかりと立てておくことをお進めします。途中からの戦略・戦術の変更はなかなか出来ませんのでご注意を。

上記のように、輸出業者ならびに輸入販売業者選定、ブランド戦略は非常に時間と労力がかかるものと言えます。
ですので、日本酒の輸出を他人任せにするような蔵元の酒は今後伸びるのは難しいと言えるでしょう。
やはり蔵元が先頭に立ち、各国の事情、業者との折衝、要人のとの関係造り、PR・イベント活動を積極的にこなしていかなければ一点突破できない時代だと確信しております。
蔵元の資質についての詳細は以下のブログを参考にして下さい。
基本的にはプレゼン能力、つまり伝播力が全ての鍵となってきます。「蔵元杜氏」は国内販売では十分ですが、海外では「プレゼンに強い蔵元」が今後より重要となってくることでしょう。
・蔵元の資質1→ http://shozankan.da-te.jp/e629156.html
・蔵元の資質2→ http://shozankan.da-te.jp/e630339.html

3)蔵元ツーリズムへの苦言  
最近何かと話題の蔵元ツーリズムです。
基本的にはいいアイディアだと思いますが、蔵元の視点から以下の大切なことが欠けている!と思います。

①蔵元としては、雑菌の侵入(人の侵入)は基本的に快く思いません。
 でも、それでも納得して受け入れできる売上(うれしい金額!)があればOKデス。やはり売上が蔵の元気の原動力となります。そうすることで毎回蔵元納得の上で、蔵元に負担を強いらない形で継続的な蔵元ツーリズムを推進することが可能となります。

②その地域の観光地の一部として海外の客が来るのは正直蔵元にとっては別にどうでもいいことです。
 むしろ海外からわざわざその蔵目指して来てくれるような仕掛を海外で行い、それに呼応する形での見学・訪問があるのが理想でしょう。
 つまり海外で行われるイベントで興味を持った外国人が、その蔵をわざわざ訪ねに来るというような図式でなければ双方実りある結果を出したとは言えません。

①については、形だけの蔵元ツーリズムは蔵元にとって全く必要ないと言うことです。
名目上の為に、タダでさえ忙しいのに、いちいち身元・目的が不確定な外人(礼儀知らずで不謹慎な観光客も含む)なんていちいち相手にはしてられません。ということが正直なところです。
ただ単に物珍しさの観光客など相手にする気は毛頭ありませんし、正直時間の無駄です。
その蔵に興味を持ち、取引を念頭にしての見学、もしくは影響力のあるシェフやソムリエや海外の取材など話題となるような企画ならば話は別です。こちらも本腰を入れて対応させて頂きます。しかし不特定多数だと、毎回どのレベルで、どこまで魅せるのか判らず、振り回されるのがオチです。
今後継続的なことを考えると、やはりしっかりと蔵元へお金が落ちる仕組みが必要となってきます。しかしながら現在はそのような仕組み造りまでは全く考慮されておりません。
旅行代理店、広告代理店、近隣温泉宿や料飲店、おみやげ屋さん等にお金が落ちるのであって、直接的に蔵元にはお金が落ちる仕組みが見えてこないのが非常に問題です。これだと一時的にはいいでしょうが、毎回だと蔵元のモチベーションは下がる一方です。

②まず、海外での日本酒PR活動が、最終的に日本へ観光させる為のPRに全く繋がっていないこと自体に憂慮します。
 ただたんに海外での予算消化、ただやりました、花火を上げました的なイベントが多いのに非常に疑問を感じます。
 酒のなんたるかを知らない企画会社に丸投げし、その後の輸出に繋がったかどうかの検証も評価も一切行わず、毎回効果のない同じ企画を繰り返すだけでは一向に進歩・発展が望めません。
 またそれ相当の予算を使っているにもかかわらず一向に地元のメディアにすら載らないし話題にならないようなことが多いのも問題です。
 マスコミ対策も無いということは、はじめから観光誘致活動を念頭にしていないことの裏返しです。

 ちなみに勝山の海外イベントでは後に必ずといってその地の外国人が蔵に見学に来ます。そして輸出額も順調に伸びておりまます。
 勝山に蔵見学に来る外国人は、勝山に来ると何が観れ、何が体験できるかを訪問する前からわかっておりますし、日本酒をより確実に理解できるよう、日本酒のテロワールの原点である山からスタートし、水を追って畑、そして蔵までの「水の流れを追う」見学ルートが確立されており、とても好評を得ております。また見学の最後にはフードペアリング基本講座「モダン酒道エクササイズ」にて日本酒の食中での威力をシャンパンやワイン、ビールなどと比較して頂きながらしっかりと体験して貰います。

 つまり、日本酒のなんたるかをしっかり理解して貰うために、何を魅せるか、何を体験させるかまでしっかり掘り下げて準備を行わないと、ただ単に見学した〜ぐらいでは一向に日本酒の理解・啓蒙活動は出来ません。そこらへんをあまりにも簡単に捉えているのが、現在の蔵元ツーリズムの取組だと思うと非常に残念でなりません。

 食事だってタダ単に世界遺産登録された和食でOKなどと安直に考えられても困ります。
日本酒のサービス自体も旧態依然からさっぱり改善されていないのに、いくら食事が世界遺産だからと言っても、日本酒を感動させるには至りません。世界遺産の和食体験でOKと思っている人は、飲食店の本質を全く理解していない人たちの考えです。
なぜなら「食と酒は両輪」です。
同じ世界遺産登録されたフランス料理では基本中の基本です。当たり前のことです。そんな基本的なことさえわかっていない人たちが企画している。いくら世界遺産の和食といっても、"食と酒は両輪"ということを押さえていないそんなお粗末な"おもてなし"はNGです。
 いくら素晴らしいお酒があってもそれを出すサービススタッフの器量、器、雰囲気、フードペアリング等、煮詰めるべきポイントは多岐にわたり、世界遺産という言葉で全てをくくって貰っては身も蓋もありません。
 
現在、勝山では来年に向けて、これが理想の蔵元ツーリズムというものを独自に創り上げております。まずはチーム作りが大切ですので、準備には時間とそれ相当の段取りに時間と労力がかかるでしょうが、確実に蔵元ツーリズムに一石を投じることとなるような結果を出せることと確信しております。

以上、2013年海外から投稿した最後のブログとなります。  

Posted by 勝山 at 21:20Comments(0)日本酒

2013年12月08日

シンガポール國酒マーケット事情


12月8日付けシンガポール有力新聞誌"THE STRAITS TIMES"の日曜版"TheSundayTimes"のグルメ・ライフスタイル欄にて勝山と、今回の"パティスリーG"のスイーツとのフードペアリングイベントの模様が掲載されております。

シンガポールマーケットですが、たぶん世界一オープンマインドなマーケットではないでしょうか!

私の経験では一番保守的で旧態依然のマーケットがアメリカ、ガストロノミーに切り込まなければならないという苦労はありますがやり甲斐のあるのはフランス、香港はやはりブランド志向がかなり強いとはいえ食体験的好奇心には貪欲です。

一方シンガポールはどうかというと、非常にオープンマインドです。

ある意味なんでも楽しければ受け入れてくれます。
つまりエンターテイメント的な切り口で、美食体験や新たな楽しみを提案し、確実に喜ばせれば必ず受け入れてもらえます。

そういう意味では非常にプレゼンしやすいし、イベントの企画もよりダイナミックに楽しく創り上げる喜びがあります。

そしてその楽しさにいちいちケチつけてくるような人もいません。ある意味、積極的に展開しようとする蔵には非常に魅力的なマーケットだと考えております。

あと蔵元は"ストーリーテラー"で無くてはなりません。
蔵元とはもともとその土地を代表する地主であったところが多いので、やはり郷土の食文化・歴史には精通しておく必要があります。
当然シンガポールの人たちを喜ばせなければならないので、それなりに話のネタは十分に仕込んでおかねばなりません。

さて昨日はシンガポールのランボルギーニ・オーナーが36名が集合し、「戦勝万歳!」をしながら酒を飲み交わし、しかもフードペアリングにも積極的に参加しておりました。さらに1本レストラン価格が日本円で9万円の"ダイヤモンド暁"が6本も空きました。翌週もランボルギーニ・オーナー40名ほどで集合し日本酒で大いに盛り上がる予定だそうです。集合場所はもちろん"BAM! TAPAS-SAKE BAR"です。

日本酒の広まる幅も広いのがシンガポールの特徴のひとつ。上記のような展開はまず日本を始め、他の国々では見られませんよね。
日本酒を当然ワイングラスで楽しみますし、とっても華やかな雰囲気でお酒を飲み交わします。
またシンガポールではフェラーリよりもランボルギーニのほうがステータスが高く、ホテルでも最前列に駐車されており、また町中でもよくランボルギーニを見かけます。

日本酒の新たな展開が食文化を形成し、シンガポールの食文化を盛り立てていく!そんな日が近い、と実感しています。

BAM!
TAPAS-SAKE BAR
38 Tras Street Singapore 078977
+65 6226 0500

※BAM!の食後酒には、王様酒である沖縄の泡盛"守禮"がオンリストしております。  

Posted by 勝山 at 16:40Comments(0)グルメスイーツ海外戦略

2013年12月06日

世界初!スイーツと酒のフードペアリングイベント



明日から週末、7−8日の2日にわたり、シンガポールにあるショッピングモール"MILLENIA WALK"にて、

アジア初、世界初の"スイーツ×Sake"フードペアリング イベントを開催します。

時間は17:00-19:00の二時間です。幸運にもシンガポールにおられる方は是非、お越し下さい。

イベントでは1種のペイストリーと3種のスイーツに合わせ、口スイーツのファンタジーなイメージが更に口内で膨らむよう、
スイーツに合わせた香り付けをしたお酒との口内マッチングを楽しんで戴きます。

お酒は勝山の「戦勝政宗」「伝」「䴇サファイア」「元サファイア」と完璧な布陣!

いまからお客様の驚きと感動の声が浮かんできそうです!ワクワクドキドキのイベントとなることでしょう。

そもそも今回のきっかけはPatisserie GのオーナーシェフであるGuenシェフがフランス修行中に感じたことに端を発します。

スイーツを作る際に多用する、たまご、クリーム、チョコレート、どれもワインには合わないか、合わせるのが難しいと感じてました。

さらに出来上がったスイーツとの相性で、シャンパンもじつは炭酸の泡で、苦心して表現した繊細な味わいの層がマスキングされ洗い流されてしまうことにも気づきました。

あるときひょんな事から日本酒と出会い、合わせてみたら、たまご、クリームの味わい、ガナッシュのテクスチャーなど邪魔をしないどころか、結構いける!

シンガポールで店を立ち上げるにあたり、スイーツの横で日本酒を飲ませるコーナーを設け、日本酒が楽しめるスイーツ店とオープンしてはどうか?
満を持してファッショナブルなMILLENIA WALKに自分のイニシャルを冠したお店"Patisserie G"をオープンしました。
アジアで初の、しかも世界初の日本酒を楽しめるスイーツのお店です。

Patisserie G
9 RAFFLES BOULEVARD, #01-40 MILLENIA WALK SINGAPORE
(65) 6338-7578
CONTACT@PATISSERIEG.COM

シンガポールは今、日本酒が熱い!

BAM!
TAPAS-SAKE BAR 

(スペインのタパスと日本酒のバーです)

スペインと日本は伊達家つながりで400年の交流があり、勿論その交流は料理と酒までに及びます。
日本酒狂のオーナー(数名)が集まり、世界初の"タパス×サケ"フードペアリングの専門店を創りたい!と、近日オープン予定のお店です。

本日はここの名物となり得る"フードペアリング・カクテル"の試作と従業員に日本酒とフードペアリングの授業を行います。

オープンは年末となるそうです。
BAM! : 38 Tras Street Singapore 078977
TEL; +65 6226 0500

今、シンガポールでは日本酒の新たな魅力に目を付けた新しいムーブメントが計画中です。
ある意味、本場日本が感覚的に遅れをとっているような印象を受けます。

また日本酒のカクテルを抜本的に見直し、日々改良を加え気合いが入っているのはマリーナベイ・サンズ WAKU GHINのチーフバーテンダーの地井さん。
昨日もボンド・マティーニ×勝山「伝」は見事な出来映えでした。MANCINO BERMOUTHを使用したアレンジは流石でした。
WAKU GHINではバーで地井さんの日本酒カクテルは勿論、軽食も楽しめます。カジノの中で、とっておきの落ち着いた別空間でのひとときは実に贅沢なものです。マリーナベイサンズの隠れた穴場と言えるでしょう。

また今後シンガポールのレストランでは日本酒のサービスをより魅力的に行うためにどうすべきかも真剣に考えております。
すごいことに、それは全て売上に直結しております。実際にシンガポールで真面目に取り組んだ高級店では飲料売上が400%もUPしたと喜んでおりました。

日本料理が世界遺産登録されたことは大いに喜ぶべきですが、日本酒のサービスに関してはまだまだ残念なことが目に付くのが正直なところです。
日本の料理界も真剣に日本酒サービスの重要性に気づかないと、将来外国に遅れをとるかもしれません。
日本国内の方にも是非とも日本酒サービスに真剣かつダイナミックに取り組んで戴きたいと切に願う次第で御座います。

P.S.

最近自分が素晴らしいと思うBARに、麻布十番の"GEN"というお店があります。
4杯から6杯の日本酒のカクテル テイスティングメニューが楽しめます。今イチオシのBARです。
ここのオーナーのGENさんもNYからの海外帰国組でして、その創造力には毎回感服しております。
お昼の三時からの営業ですので、ランチ後に洒落て一杯!も楽しめます。  

Posted by 勝山 at 11:18Comments(0)イベント海外戦略

2013年11月26日

國酒の海外戦略考4 "特定名称酒呼称"不要論!?

國酒海外戦略考 その四は、ちょっと衝撃的な内容です。

"特定名称酒呼称"不要論!?

ここで質問です。

本醸造といってマリアージュするフランス料理のお皿を連想して下さい。

純米、吟醸、特別純米、純吟、、大吟、純米大吟・・と、この質問を続けて下さい。

また中華料理やイタリアンでも如何でしょうか?

そして更に質問です。

上記のそれぞれの理由を、フランス人、イタリアン人、中国人(香港人)に明確に特定名称種の差がわかるように説明できますか?

また、あなたの説明を聞いた外国の人々がその人たちの友人にあなたの説明を説明することが出来るでしょうか?

結論から言うと、特定名称酒から料理を連想し、フードペアリング(素人考えからプロまで)を連想させ、さらに実践させることは不可能です。

では別の角度からの質問です。

特定名称酒呼称は、例えば純米から純吟まではわりと細かく規定されております。が、純米大吟醸もしくは大吟醸はあまりにも大雑把な区分と言わざるを得ません。

一方で、近年"大吟醸もしくは純米大吟醸しか造っていません”という蔵もよく見かけるようになりました。そういえば一昔前は「純米酒専門蔵」でしたね。

よく考えて下さい。何か感じませんか?

つまり現在では大吟醸もしくは純米吟醸が普通に当たり前に造れる時代になったと言うことです。

特定名称酒呼称制度が始まる前の昭和の時代では想像すら出来なかったことですが、平成の現在では当たり前に誰でも大吟醸を作れる時代となりました。

ということは現状が大きく底上げされた結果、現在は制度が取り残されてしまったと言えます。

純米も吟醸香も、たったの20〜30年前迄は確かに難しい技術でした。でも昔では珍しかったものが今ではもう当たり前なのです。

そして若い世代の蔵元や酒販店に勤める若手の方々は、一昔前の吟醸香が有り難い!という感覚は全く持ち合わせておりません。

まるで、携帯が無い時代に青春を過ごした人と、iPadが子守歌の世代では「ありがたい!」という感覚に断崖絶壁ほどの差があります。

となると、新しい世代が海外に打って出る戦略と、今までの旧態依然の営業感覚での海外戦略では、全く違う手法を執って然るべきであります。

上記を整理しますと:
1)特定名称酒呼称ではフードペアリングを連想できない
2)現在の若手は吟醸香も純米特化も当たり前に出来るので、20数年前の特定名称酒呼称制度制定前と現在の技術が格段に違い、制度が自体が陳腐化した。

実際海外でのPRにおいて、世界の関心は日本酒自体の香り・味といった単体での評価よりも、むしろフードペアリングの方に向いております。

つまりこういう事です。2000年以降、ニューワールドのワインも含め、世界中ではあらゆる新興国が復興、一方でワインのスペック・価格等も含めた多様化が進められ、一方で各国のガストロノミーも一気に繋がり、世界中がワインに征服されてしまった事実があるということです。

つまり、日本酒はワイン学によって判断され、香りも味もワインの感覚を持って評価されるものとなってしまいした。
これは酒全般でのテイスティングの主流を完全にワインが世界を制した!ことに起因します。
なので、日本酒は世界の酒の愛好家へPRし、確実にファンを増やし販売を確固たるものとする為には、以下の事に留意すべきです。

1)ワインベースのテイスティングに対しての準備。
2)愛好家もしくは消費者(日本でも)は一般的に既にワインで満足しているし、まだまだワインへの興味が尽きない。そしてマリアージュはワインでこそ行われるべきだと思って疑わない。
3)日本酒愛好家はハッキリ言って超マイナーな存在である。ことの認識。
4)ここが重要で、世界の酒のメディアはワインが主流であり、一般消費者へも影響力が絶大です。それに比べ日本酒の愛好家の存在とメディアへの影響力は非常に微力であり、特にガストロノミー界への影響力もまた微力であることを前提としなくてはならない。また高級レストラン常連のジェットセッター等の人への情報影響力は皆無と言っていいかも知れません。

いろいろ問題を指摘いたしましたが、結論としてワインベースで情報が伝達する土壌が世界に形成されている以上、
醸造の現場と制度的乖離が著しく開き、海外PRの最前線で「特定名称酒呼称制度」は混乱を招くだけで、百害あって一利無しの不要の長物となっている現状を認識すべき時に来ました。
ただし、大手の酒をPR・販売する、もしくはアルコール添加の強力な支持者以外は旧態依然で一向に問題はありませんが・・・・・

ここで注目すべきポイントがあります。
海外の人の関心は日本酒の評価よりも、テーブルの上でそれがもたらす"喜び"へのほうにより強い関心を見いだすと言うことです。

つまり一般の愛好家はテイスティングはワインで十分すぎるほど満足しております。
そんな中で日本酒を飲んでも、やはり葡萄と米という原料の持つ香りと味・酸味の違いからくるインパクトの差はどうしようもありません。
原料の違いはいわばスタートラインが違うことを意味しております。
100m走でお米がが0mのスタートラインとすると、ワインは50m地点からの有利なスタートとなります。
「フルーティーで美味しい」というのはよく誰でも使う表現です。つまりワインは葡萄からなので非常に有利です。
しかも日本酒には色の違いがあまりない。ここら辺も外国人が日本酒の違いを認識しづらい原因のひとつです。

よく海外で見る光景ですが、JETROや中央会主導の海外展開においていろいろとセミナーを行い、その中で3〜5種類くらいの日本酒のテイスティングを行なってます。
特定名称別にテイスティングするのですが、主催者側は人が集まれば満足ですが、実際セミナーに参加した外国人の殆どは特定名称別の違いを全くと言ってよいほど理解しておりません。つまりセミナー後の満足はかなり低いと言うこととなります・

ここで更に言いますと、特定名称酒の区別では外国人はその違いを識別できない、もしくは識別が日本人が思っているほど容易ではない、ということ認識し、前提にすべきでしょう。その上で、よりよい認識のために策を考え出す必要があります。

またセミナーにおいてもその酒のセレクションに問題があります。
ワインと異なり、日本酒はお米なので、ブドウ品種ほどの差が出にくいという性質があります。
また一方で、葡萄の出来や出自がそのワインの出来と格を決定する第一の要素なのに対して、日本酒は蔵元の酒に対する哲学と杜氏の技術が最優先する酒。
つまり、生産者次第で、精米歩合、米の種類を通り越し、蔵によって酒質の違いが大きく出やすいのです。
ですので、海外でのセミナーもこの重要なポイントを押さえ、そして提供する酒の蔵のレベルを合わせないと、精米歩合と米の種類の違い、更にはその結果として出来た特定名称呼称別の酒の違いを外国人に明確に説明できないのです。

またよく海外でのセミナーでの特に大きな"ミス"を指摘しますと、フードペアリングにおける完璧なミスリードです。
まず、特定名称酒別にお酒のマッチングを進めることがよくありますね。
理解できなくはありませんが、そもそも純米系とアルコール添加系が同列になっている特定名称ではワインで言う所のスティルワイン(通常のワイン)とフォーティファイド(酒精強化ワイン)が同格・同列で料理にリコメンドされるという、ワインラヴァーからは理解しがたい状況になってしまいます。

また、特定名称では酒の「品格」「美しさ」といった「格の違い」は全く説明しておりませんし、そもそも制度導入時から意識されたことなどありませんでした。
つまりワインで言う所の「クラス分け=格の違い」が全く説明されておりません。
ワインでのフードペアリングでの重要な決め事として1)同じ地方性、2)同じ"格"/クラスに合わせるといういものがありますが、
特定名称ではそのどちらも意識されてないという問題があります。
海外での日本酒の講演でも、この事が全く意識されていないために、まるで日本酒には格/クラスの違いが存在しないようなフードペアリングの説明やミスリードをよく目にします。
ワインでもそうですが、そもそも高級な料理にテーブルワインなど出すわけがありません。しかもグランヴァンから先に出し、〆ちかくはテーブルワインで云々という、へんなミスリードが氾濫してしまうような状況を招いてしまいました。

ハッキリ申し上げますが、日本酒にもワインと肩を並べる、またはそれ以上の(別の視点での)品格の違い、クラスの違いが存在します。
しかもそれはワインよりも絶対的なものであることも、ここで申し上げておきます。
参考までに、勝山ではこれから述べる以下の4つのカテゴリーがあり、それぞれのカテゴリーの中で値段が一番安いのがそのカテゴリーのスタンダードなお酒となり、順を追って次第に値段が高くなっております。スタンダードと最高級酒ではそのカテゴリー内において最高で20倍の金額の"差"がございます。
これが日本酒の品格、つまりクラスの違いです。
日本酒では、ダイヤモンドを鑑賞するような、繊細で精緻、絶対的な"美"意識というものが存在します。
だから特定名称レベルでの大吟醸と普通酒が、高級料理に並列で並べられるようなフードペアリングなどはあってはならないのです。
フランス人のV.I.Pに出したら、圧倒的にフランス料理文化から見下され、笑われてしまいそうですね。
でも、本気の日本酒フードペアリングの底力を知れば、フランス人も重い腰を上げなければならない事態を知ることでしょう。

これだけ書くと、では実際どうしているのか?と言われますので、簡単に勝山での海外でのPRをご紹介させていただきます。
1)テロワールに言及する。
 ワイン学を学んでいる世界中の酒全般の愛好家に絶対に真っ先に押さえておきたいポイントです。
 日本はズバリ「美しい軟水の国」であり、その軟水によって世界中で類い希なる美味な日本米を長い歴史の中で育んできた「水穂の国」であることを説明します。

2)軟水をベースとした4カテゴリーを説明し、そのコンセプト/製法(軟水とお米にフォーカスした簡単解説)をその国の言葉でわかりやすく説明します。
 勝山では今年の海外PRから特定名称呼称ベースでの説明を止め、以下の4種類での説明を行って参りました。
① Pure Light Body
② Pure Medium Body
③ UMAMI Full Body
④ Sweet Rich Body
 非常にわかりやすく、製法の違いも理解していただき、どこでも大好評です。
 とくにテイスティングで一番の問題であった「差がわかりづらい」という問題が一気に解消です。
 詳しくは後日のブログで詳細を解説させていただきます。

3)テイスティング
 基本的にワインのテイスティングをベースにしておりますが、ワインと國酒では観るべきポイントが異なります。
 観る手順、そして感じ取るポイントを説明し、造りが丁寧でしっかりしているか、または造りが適当であるかの判断基準を教えます。
 またフードペアリングにも通じる大切な口内での味のまとまり、喉越し、戻り香の重要性も理解していただきます。
 上記の4種類の順で、またひとつのカテゴリー内ではスタンダードからはじまり高級酒へとバーティカル(垂直)テイスティングを行います。
 そこで横の4種の酒質のコンセプトの違いと、縦の品格の違いで日本酒の立体的なラインナップを理解していただきます。

4)フードペアリング
 ここが決め手です!日本酒はテイスティングで造りの良し悪しと大方のフードペアリングの方向性は理解できますが、それでもその酒の30%程のポテンシャルしか理解できません。
 國酒の神髄を100%理解するには、のこり70%をこのフードペアリングで確認します。というか、大いなる発見となります!
 そしてここが重要ですが、フランス・ガストロノミーをはじめ、超がつくワインコレクターが日本酒に振り向くのはこのフードペアリング時です。
 つまりこのフードペアリングをおいて、國酒の威力を海外に発信する最高のツールは無いと言うことです!
 そして上記の4種類のカテゴリーは、それを説明するもしくは料理と合わせるときの最高にわかりやすい"指標"となります。
 次回以降に詳しく書きますが、実は「お米の甘さ」をどう説明するか!が、フードペアリングで一番の山場となります。
 これに成功すると、今までのワインでマリアージュ原理主義者は、甘味ベースの日本酒フードペアリングにその場で改宗します。スゴイ展開となります!!

海外戦略での重要な要となるフードペアリングは、私の著書「MODERN酒道」「モダン酒道」に言及しておりますので、そちらに詳しく書いております。
本を書き上げたのが2〜1年前ですが、上記の4ラインナップに辿り着くための基本的な醸造コンセプトとフードペアリング理論の基礎が論理立てて説明されております。
國酒 勝山酒造の本HP → http://www.katsu-yama.com/products/index.html#shuppan

若手蔵元の方々には、特定名称呼称は全てではなく、ましてや鑑評会用のフードペアリング不可能な酒の範疇から飛び出し、海外でこそフードペアリングを最大限に発揮し、日本の旗をガストロノミー界に掲げられるような素晴らしい酒を目指して頂きたいし、またそれを酒販店をはじめ日本酒愛好家の方々にも応援していただきたいと願う次第で御座います。
以上。  

Posted by 勝山 at 12:50Comments(0)海外戦略

2013年11月24日

國酒の海外戦略考 その3蔵元の資質(2)

前回の続きです。

さて国際社会で一点突破し、國酒への教育と普及を確固たるものにするために必要な蔵元の資質の続きです。

3)料理の知識が豊富であること。
4)ワインの知識が豊富であること。
5)上記を網羅した上で、外国人の目線で、彼らの言葉で理解しやすいように日本酒の絶対的な長所をはっきりと説明できること。

3)料理の知識が豊富であること。
その昔、蔵元の息子が農大に入り、醸造学を学び、蔵を継ぎ、一部の卸や酒販店や愛好家が応援し、スターダムにのし上がる、というサクセスストーリーがありました。
でもこれは国内での話。
國酒の海外戦略では酒のクオリティーを国際競争力をつける!という点では上記のストーリーは有効です。
でもそれだけでは今後の国際戦略では不十分と断言します。

ズバリ!これからの蔵元は「食」に精通しなければなりません。
「食」ーつまり、料理の知識です。
そして料理の知識ですが、ざっと以下の知識は最低限の必須項目なので、各項目で最低1時間は自分の言葉で情熱的に語れるようにしなければなりません。
・日本の食の歴史について
・日本料理とその調理法について
・日本の稲作について
・日本の水について
・日本の作法、お酒や料理についての作法や箸の正しい持ち方の指導を含めた作法についての総合知識
・フランス料理とその調理法について
・イタリア料理ならびにスペイン料理とその調理法について
・中華料理をはじめアジアの料理と調理法について
・レストランのメニューを読み解ける知識
・パンやチーズ、デザート、チョコレート、など総合的な知識
・レストランのサービスやマナーについての知識全般
・世界中の食材の知識:肉、魚、野菜、ハーブ、穀物、スパイスやトリュフ、フォアグラ、キャビア、バルサミコ酢やオリーブオイル等の高級食材等々
・食に関する世界中のエピソードやマナー、その他文化の違いについての知識
いろいろ挙げますが、挙げだすときりがないですね。

日本酒だからと言って、日本料理だけ知っていれば十分とお考えの方は、正直国際的なPRは無理です。
なぜなら日本酒と日本料理のフードペアリングは、当たり前過ぎて海外の各種アルコール愛飲家の興味と関心を引き事は出来ないでしょう。

文化交流とは、自分の文化を自信と誇りを持って紹介することであり、同時にお互いの違いを理解することで相互理解をと情報の共有を図ります。

それには最低限相手の国や隣国、文化圏における受け皿を頭だけではなく、身体での体験を通じて用意しておくことが必要です。
更に言うと、40才過ぎると、頭の創造力が大幅に低下し、体験からの情報でしかなかなか頭が追いついていかない状況になるので、
出来るだけ若いうちにあらゆる事を、あらゆる世界を、あらゆる人々との生の交流を通して身体でしっかりと体験しておくこと、そしてその習慣をオススメします。

4)ワインの知識が豊富であること。

もうこれは言わずもがな、必修科目です。

世界の醸造酒がワイン語で語られ表現され、理解されているからです。
ですので國酒の知識も、ワイン語で語れるようにしておかねば、相手を理解させることなど到底出来ません。

ただこれがなかなか一筋縄でいかない所が、ワインの奥の深い所です。
やはりあらゆる国の人とワイン語でワインの表現をすることを学ばなければなりません。

特にアジア人とヨーロッパ人ではお米に対する感覚が異なります。
ですので、國酒を表現する際、相手の目線や使用する専門用語で説明する努力と語学センス、そして度胸が必要です。

またフランス語が第一言語なので、フランス語のロジック、つまりフランス語を使用した場合の思考ロジックのコツを掴むのも大切です。
たとえば「フルーティー」。
よく國酒を説明する際、何気なくよく使用しますよね。
でも不注意に使用しすぎると足をすくわれます。
つまりロジックで考えるとこういう事です。
「フルーティー」とはその先に必ずより具体的な地域を示したり、フルーツの属性を表したり、そして具体的フルーツの名称、継ぎにそのフルーツが生なのか、火入れしてあるのか、ジャムとして煮詰められたものなのかなど、だんだん細かく細分化した説明が求められます。
つまり極論すると「フルーティー」とは「フルーツ」を形容する言葉であり、間違っても「穀物」を表現する言葉ではないのです。

とくに文法やロジックに気むずかしいフランス人には、こんな屁理屈で人の説明を平気ではしおるのは日常茶飯事です。
いつまで経っても話したい内容に到達できないという"議論のための議論"に迷宮に突入する羽目となります。

とりあえずオススメなのがソムリエの資格習得と、ソムリエ協会等の会合に積極的に顔を出すことです。
また、外国人のソムリエの方を見つけたら徹底的に話し込んでみて下さい。いろいろなヒントを頂けるでしょう!


5)上記を網羅した上で、外国人の目線で、彼らの言葉で理解しやすいように日本酒の絶対的な長所をはっきりと説明できること。

最後に、これが全てですね。
よく外国人に売り込む際、「あなたの酒の特徴は?」とテイスティングしながら質問されたらどう返答しますか?

まず一番最悪で、意味のない答えが、テイスティングに全く直結しない「造り」の話です。
日本での営業ではそれは欠かせない武器ですが、海外では意味不明な説明となってしまいます。

正直スペックなんて言うものや、日本酒業界しかわからない専門的なことはほどほどにしておかないと、直ぐに飽きられます。

一番大切なのは、なぜこの味を表現したのか。ということ。

そして、ここを味わって欲しい、ここの此の味に注目して貰いたい。とテイスティングに直結した上でのワイン語でのシンプルでテクニカルな内容でスッキリと相手がうなずけるような答えを事前に用意しておくことが必要となります。

と、なると、更に突き進めると、海外の人がわかりやすい國酒造りを行わないといけない!という酒質設計にまで遡ることにもなります。

その上で、外国人目線で自分の蔵の酒の最大限の長所をPRしなければなりません。

また「絶対的な長所」と私は挙げましたが、これは私の著書「MODERN酒道」「モダン酒道」に言及しておりますので、そちらに詳しく書いております。
國酒 勝山酒造の本HP → http://www.katsu-yama.com/products/index.html#shuppan

以上。  

Posted by 勝山 at 12:26Comments(0)海外戦略

2013年11月22日

國酒の海外戦略考 その3蔵元の資質


國酒海外戦略 その3は蔵元の資質についてお話しします。

海外進出を果たすにあたり、今後の蔵元には以下の資質が必要です。
1)コミュニケーションを積極的に展開できること。
2)語学センスがあること。
3)料理の知識が豊富であること。
4)ワインの知識が豊富であること。
5)上記を網羅した上で、外国人の目線で、彼らの言葉で理解しやすいように日本酒の絶対的な長所をはっきりと説明できること。

では、以下、順を追って上記をご説明します。

1)コミュニケーションを積極的に展開できること。
海外において、"待ち"の姿勢は禁物です。また日本のように蔵元だからといって判官贔屓して助けてくれる相手もまずおりません。
また、「飲めばわかる、酒は美味いか不味いか!だ」という旧態依然の姿勢はもやは捨てなければならないことも断言します。
海外では自分が積極的に動き回り、相手を見つけ、トコトン主張し、そのなかではじめて突破口や光明が見えてきます。
はじめから成功のレールなど敷かれておりませんので、それこそサバイバル精神で自分の鉱脈を自分の手と勘で探し当てるしかありません。
それにはとにもかくにもコミュニケーション力が必要です。相手をトコトン振り回し、こちらの最大限の要望を突き出して初めて相手の対応や相手が出来ること、また相手からの新しい提案が見えてきます。
そもそも外国の人の場合、あらかじめ私たちのことを思いやって先回りして考える習慣はありません。
ぶつかり合いながら、解決策やノリで最高のアイディアを見つけていくといった体当たりでしか獲得できません。

で、ここでちょっと基本的なことをお話しします。
巷でよく目にするのが「ネイティブスピーカー・コンプレックス」です。
よく書店で英語の棚で「ネイティブスピーカーになろう」的なフレーズが多く、
中学校からそうですが、ネイティブのように発音できないとかっこう悪いと洗脳されすぎている日本人が多いです。
そして未だに日本では目指せ「バイリンガル」で、英語をネイティブのように話せる人に対し尊敬と自分へのコンプレックスを感じる人が多いのが現状です。
ところが世界中はどうでしょう?
私なんか、ネイティブにフランス語やイタリア語を話しているアメリカ人やイギリス人を見たことは海外生活10年+私の二つのパリとフィレンツェのお客様でも見たことがありません。
またヨーロッパの人は大卒のサラリーマンであれば最低3カ国語の読み書きはあたりまえです。
バイリンガルなんて、恥ずかしくて言葉にも出せません。
またヨーロッパ人では特にそうですが、もし日本人が完全に彼らの言葉をネイティブに話し出したら、ヨーロッパの人々は凄く気持ち悪い違和感を覚えるでしょう。
そもそも3カ国以上話せるような場所、たとえばヨーロッパ、アジアなのではそれぞれの民族にアクセントがあるのは当然という認識があります。
つまり、日本人が抱いている「ネイティブスピーカー・コンプレックス」は本来存在しないし、期待されもしていないのです。
本屋さんでなぜあれだけ「ネイティブスピーカー」とでているのは単に本を売るためだけです。よりコンプレックスを煽ると日本人は購入したがるという習性を付いた巧みな商法なのです。
ですので、蔵元の皆さん、「ネイティブ・スピーカー」に恐れることなく、自分のへたくそな英語、数打ちゃ当たる、位の気持ちでガンガン責めて頂きたい。
言葉なんてそもそもタダのツールです。ツールでびびっててもなにも始まりません。
海外で一番大切なのは、相手に伝える情熱です。情熱が強ければ強いほど、ツールの使い方が下手なくらいでビビッたりしません。
なぜなら、伝えたくてしょうがないからです。
こういう強いパッションに、海外の人の心が動き、そして彼らからより理解しようと歩み寄ってくれます。それがスタートです。
ですので、英語というツール如きでビビッてないで、画像や、ムービー、手書きでもなんでも使ってでも構わないので、ガンガン積極的なコミュニケーションを推し進めることを強くオススメ致します。

2)語学センスがあること。
さて、ここでいう語学センスある、ということは上記の「ネイティブ・スピーカー」になることとはちょっと違います。
面白いことに、語学の習得とは、ドンドン他の言語に関心が広がっていくこと、という習性があります。
つまり、一度英語以外の同じラテン語のグループの語学を学ぶことで、フランス語、イタリア語、スペイン語などが、何故か理解できるようになってきます。
そして、それにより更に語学的センスが磨かれていきます。
正直私なんかは、偉そうなことを書いてますが、たぶん、一部の専門用語以外はほぼ中学生の英語レベル+中学生レベルのフランス語+旅行会話程度のイタリア語しか話せません。
でも、伝えたい気持ちが一杯あるからドンドン前に出て話倒します。上記程度の語学でも、多少のはったりも利用しながら、ワイン愛好家やワイン専門家、スターシェフやソムリエの方に対し2〜4時間、日本酒の講義を行っております。
ここで言う語学が堪能とはつまりこういう事です。
英語では説明しますが、所々、その語源であるところはその語源の言葉を使用するとかなり有効的に相手を説得させられます。
たとえば世界中のソムリエ用語や調理用語はフランス語です。
なので、そこを全て表現の乏しい英語で話すこと自体無理があります。ならばそこはフランス語で説明した方が遙かに有利ですし、はったりにもなります。
相手を説得させる際には最善の策です。
またイタリアレストランに営業に行った際もそうですが、せめて挨拶ぐらいはその国の言葉で出来ないと、直ぐに打ち解けることは出来ません。やはり相手に対しての理解を示すこと。それが良い第一印象を与える秘訣だと思います。
そうやって英語に固執することなく柔軟に語学をツールとして使用する=語学センスということとなります。

ちょっと長くなってしまったので、残りは次回と致します。  

Posted by 勝山 at 11:14Comments(0)海外戦略

2013年11月19日

海外マーケット事情 香港編

今回は香港のマーケットについてのお話を少し。

まず、香港のマーケットは既に成熟していて飽和状態にある。という情報が結構蔓延しております。

はたしてそうでしょうか?

答えは全く"NO"です。

もし"YES"という方が近くにおりましたら、その人の国際的なマーケティングセンスと国際戦略・戦術に関して全くの素人と断言しても過言ではありません。

得に蔵元の方々に伝えたいのは"YES"という方に耳を貸さないことです。

正直言って、香港における日本酒マーケットのポテンシャルはまだまだ未知数です。

特に見る視点がマクロ視点である方の意見には要注意です。

たしかにマクロ的視点で見れば、香港では既に価格競争に入っており、新規参入や2000石以下の小さな蔵にはうまみが無いといえばないかもしれません。

しかしもともと2000石以下の蔵はマクロ視点で商売をしておりません。ここに思考の"落とし穴"があります。

香港以外にも、マカオ、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、カンボジアなど、マクロ視点以外の視点で見ればまだまだ未開拓であると、はっきり断言出来ます。

そもそも日本酒の営業活動において、根本的なことを申しますと、

日本でのアルコールの消費シェアを落とし続けてきた失策続きの営業活動を、そっくりそのまま海外で行っても結果は同じだということです。

実際に香港では、あり得ない話ですが、旧態依然の営業しか行われておりません。

いくら香港で十四代や磯自慢が人気があるからといっても、香港の日本酒マーケットの日本酒の教養レベルは散々たるものがあり、一部のブランド銘柄が既に香港に入ってからかなりの日数が経ちますが、それらの存在は一向に日本酒の教育や啓蒙、楽しみ方/楽しませ方について貢献しているとは言えません。

つまり日本酒業界は、日本酒愛好家の創造活動を怠りすぎてきました。

日本酒の歴史、文化、宗教との関わり、公家文化のの食との関わり、武家文化の食との関わりなどの日本酒の背景・バックグラウンドが全く伝わっておらず、

また消費者への楽しませ方、また楽しみ方すらも啓蒙しておりません。

そして蔵元も、スペックは語りますが、テイスティングと直結した酒の魅力をアジア人にわかるように伝える努力もしておりません。

こんなナイナイばかりで、どうして普及できるというのでしょうか? そして日本酒は香港で成熟したといえるのでしょうか?

また商品ラインナップもどれも横並びばかりで、おかげで価格競争となり、蔵元も自分の酒すら値決めにイニシアチブを発揮できない。

ワイン業界で仮に例えるとすると、こんなあり得ない状況となってしまいます。

香港ではワインをコップで飲んでます。しかも一気のみで、味わうということがありません、というか、テイスティングという存在すら知りません。

香港人はワインに格付けがあるということも知らず、みんな一律の安い値段の酒と思っております。

一部ブランドの常軌を逸した値段で取引されているものもありますが、それが本当にその値段に相当するものかどうかもよくわからずに消費しています。

もちろん料理とのマリアージュなども、まともに考えたことすらありません。

そういえばソムリエ達の間では食事とのペアリングにおいては、高い酒(美味しいとは限らない)から始め、次第に安酒へと飲み進め、〆は古酒を飲むことを勧めています。

はたしてワインにどれだけの付加価値があるのか、また多くの種類のワイン同士の差というものもよく理解していません。

ワイン愛好家と称する人たちは残念ながら選び方、買い方、保存方法の基本的な知識すら持ち合わせておりませんので、売るほうも酒の扱いや管理が適当です。

さあ、あなたが、たとえばですが、シャトーマルゴーやペトリュスの営業マンであったらどうでしょう? またはどこにも負けない自信のある素晴らしい造り手であったら?

すでに香港はワイン市場が成熟していると思って断念しますか?

香港には凄い金持ちがゴロゴロしております。あなたは魅力的な富裕層が多い香港をプロフェッショナルな営業マンとして本当にあきらめきれますか?

上記のワインに置き換えてみたらどうなるか!の、作り話でしたが、香港での大方の日本酒事情は大方この程度のものです。

至極真っ当な営業マンなら、非常にやり甲斐のある、開拓し甲斐のあるマーケットだと考えるはずです。

しかも、酒単体の販売と言うよりは、酒をとりまく素晴らしい世界観と共にもっともっと紹介したいと思うはずです。

もし香港で売れない!と思っている蔵元があるならば、輸出入のパートナーを即刻変えることを検討することをオススメします。

大切なのはヴィジョンです。どのようにして販売するのかという戦略です。

香港での目的を共有出来る輸入業者を見つけ、そしてそれをしっかりサポートしてくれる輸出業者とのチームを作るべきです。

JETROや中央会頼りで、ただ蔵元だけの烏合の衆が集まって香港に行ったところで、ただの徒労で終わることでしょう。

これからは蔵元+輸出業者がまずタッグを組み、同じヴィジョンを共有出来る輸入業者を探すことが最善です。これがないと何も始まりません。

自社の強みや背景、特徴をしっかりと打ち出した差別化ができる戦略・戦術をチームで共有すると自ずと勝機は見えてきます。

もしそれでも突破口がなかなか見えてこないという蔵元がいるならば、それは蔵元自身の視野の"狭さ""浅さ"に気づき、もっと勉強することです。

日本の狭い中での情報を鵜呑みにせず、蔵元自身の目でまず現状をリサーチし、香港をもっと知るべきでしょう。

ただ、これから香港では大きな動きが始まろうとしています。

ここ2〜3年で勝負に出れないようでは、香港マーケットに入り込むのは今後ますます難しくなっていくかも知れません。

もし香港で勝機を見つけたいと思うならば、蔵元はもっともっと香港に通い、あらゆる出会いの中から本質を感じ取り、早急に実行に移していくことです。

そして香港のみならずマカオ、シンガポール、インドネシア、ベトナム、タイ、カンボジアなどの近隣諸国にも是非足を運び、

アジア全体の流れも同時に把握されることをオススメ致します。

P.S. 余談ですが、アジアを知れば知るほど、日本という国がどれだけ世界から"愛されているか"を実感できます。

日本のために汗を流してきた祖先を想い、日本を世界にPRすべき立ち位置にいることを蔵元はもっともっと自覚すべきです。

ここからは脱線します。

ベトナムの方から聞いた話ですが、ベトナム人は韓国を許せない!と殆どの人が思っているそうです。

謝罪しろ!と韓国は日本に対して言う権利が一切ないことを、ベトナム人は皆知っているそうです。

つまり韓国人がベトナム人に対して行った非人道的行為、慰安婦を超える女性に対しての非道な行為の数々を一切謝罪しないで、それよりはるか昔の日韓関係を日本に謝罪させようとする行為に対し、非常に怒りを感じているそうです。

私自身事実は確認しておりませんが、ベトナムの方から直に聞かされた話だったので、もしこれが事実なら、韓国の二枚舌のでたらめ外交を暴くことになりますし、日本では全く報道されていない事なので、ここで紹介させていただきました。  

Posted by 勝山 at 00:48Comments(0)海外戦略

2013年11月07日

TV紹介のお知らせ 

今週の土曜日、朝8時からの番組(東京はテレ朝、宮城県はKHB)
『朝だ!生です旅サラダ』にて勝山酒造が紹介されます。
早起きできる方々、是非チェックしてください。  

Posted by 勝山 at 22:46Comments(0)メディア

2013年11月07日

国酒の海外戦略 その2

本日朝パリから戻って参りました。
さて、パリでこそ理解し得た"国酒の海外戦略"。
特にガストロノミー大国フランスへの戦略について考えてみましょう。

1)ガストロノミー大国と対峙するための大前提と心構え
相手は世界屈指のプライドを誇るガストロノミー大国です。
世界の共通言語をもし英語というのならば、世界の社交の場での饗応料理といえば間違いなくフランス料理であり、料理界での共通言語、もしくは基本言語こそフランス語であると断言できます。そしてこの事実をを疑うフランス人はまず皆無でしょう。

更に、テイスティング、こと醸造酒に関してですが、テイスティングの手順、知識、表現方法の基本言語も当然フランス語となります。
ということはフランス言語の思考ロジックをある程度は熟知し、押さえておく必要があります。

実は"言語"を会得すると言うことは単に文法を知っていることや、よりネイティブに近くしゃべれる、といったことが重要ではなく、その文化そのものが有する思考回路を手に入れるということを意味します。

では、本題に戻ります。ガストロノミー大国はいわば、食の軍事大国みたいなもので、自分より弱い国に対し高圧的であり、けっして屈することのない強大な力を誇ります。

そういうガストロノミー大国は得てして外国には優しくありません。そもそも日本のような島国とは異なり、外国から来たものを手放しで喜んだりしません。
かれらは前提として自国で全ての食は完結すると考えており、また他国の食は基本的に必要なく、もし他国の食事を食べなければならない状況になると言うことは、それは自国が敗戦し降伏したことを意味し、文化・経済的に戦勝国に統合されてしまった時です。

そんなヨーロッパの歴史の中で現在の国は主権を勝ち取ってきた歴史をそれぞれ持ってきており、だからこそ強い信念や誇りを有しています。

特にフランスガストロノミーに関しては、外国からの侵攻に対して、まるで獅子の如く全力で戦うかのように相手を試します。
ここではB級グルメから小手調べ、というようなことな一切ありません。いきなり真剣勝負の一騎打ちとなります。
そこにはお互いの技術・知識・経験のプライドと国の歴史的背景や国の自然の豊かさという絶対的な存在に裏打ちされた自信を全面に出して打って出ます。

もしそこでフランス人のプライドをもはねのけ、または軽やかにかわし、そして一矢報いるぐらいのパフォーマンスを見せる必要があります。
しかしながら、そこでひるんでいるか、または彼らにとって訳のわからない説明に終始するようでは全く相手にされません。

彼らのプライドを動かす程の説得性を、彼らの感性や味覚でもって驚かせ、そしてさらに彼らの理論で理解できるような矛盾のない"一貫性"のある説明ができれば、かれらは一転して歓迎してくれます。

上記から、蔵元もしくは売り込みに行く営業マンはかなりの覚悟と準備をしておかなければならないということが理解できると思います。
このことは単にフランスにある日本料理店(といってもその95%以上が中国人系かユダヤ系オーナー)に多く売れているからスゴイとか、そういうマスの話ではなく、また単に星付レストランでの気まぐれやファッション、もしくは日本人客へのPRの為にたまたま短期的に導入されているのをスゴイというのではありません。

中長期的にしっかりとした国酒である日本酒が、フランスガストロノミーの中に一つの教養/標準知識として"加われるのか"もしくは"採用されるのか"が一番大切なことであると言えます。

そのために、一貫性のある論理体系を軸に、料理界のあらゆる視点に対応した論理的説明を、輸出する日本酒と合致させて売り込むことが肝であると言えます。

2)フランスに行ったらかならず訪ねるべき日本酒専門店"ISSE”
ISSEの黒田氏とフランスの思考ロジックを基に話し始めると驚くほど日本での自分の味覚の感じ方に異変がおこることを先に述べておく。
やはり味覚というものは、環境はもちろん、対峙する人間の思考と、そして感性/感受性/経験値によってかなり湾曲してしまうのだ。
本当に実に不思議な体験であった。黒田氏とはもちろん日本語で話すわけだが、言葉の背後にある思考はフランス語とフランスでの経験値をもってコミュニケーションを行う。

正直、黒田氏のセレクトした酒は、日本で、日本語の思考で観れば確実に勝山の真逆をいく酒ばかりだ。
ところがどうだ。黒田氏と飲み交わすお酒は、驚くことに黒田氏の人間性、いや彼の個性と一致する。
また黒田氏のフランスでの経験値は私を遙かに上回る物だか、やはり彼のフランスの経験値に同調する私の脳は、思考は彼を仲間であると認識する。
脳が同調し始めると、まるで黒田氏の感性が私の感性そのものになる。この不思議な状態の中で試飲する彼のセレクトされた酒は見事である。
そして思った!これこそが酒販店経営者の到達点なのではないかと!
酒は当たり前であるが蔵元や杜氏の魂が宿る。
ところが黒田氏から薦められた酒の全てには酒の造り手は消え去り、黒田氏の魂が宿っている。
つまり黒田氏がいなければ成立しない酒でありセレクトなのだ。
そしてここフランスにおいて黒田氏の存在と同じくらい、全ての酒がその存在理由を有している!日本では決して発見できなかった、フランス人の嗜好のツボが見えてきた。実に素晴らしい体験だった。

黒田氏という人間の個性の前に出されるその酒は、まるで黒田氏の子供のような酒ばかり。陳列されている酒が皆ピカピカに輝いている。
酒販店オーナーとはかくあるものと、実感した。是非とも次世代を担う若手酒販店経営者の方々には黒田氏に会いに行って頂くことを望みます。
ISSE ; 11, rue St. Augustin 75002 Paris Tel; 01 42 96 26 74

私が訪れた日、黒田氏著の"L'Art du Sake"がスピリッツのサロンにてフランスで出版された酒の本の部にて優秀賞を受賞された、実に御目出度い日であった。

ここであらためて歓待してくださった黒田氏に、ここで感謝の意を表したい。パリにて新たな発見を示して頂き、心より感謝申し上げます。  

2013年11月04日

國酒の海外戦略考 その1

パリにて、日本酒の海外展開の今後について考える。
以下は世界のマーケットを目指す蔵元や売り込もうと販売のプロフェッショナルに対しての意見として書いてあります。

まず、売り先。
今回のSalon du Chocolatや、6月のSalon du Sakeに参加し、
また、日本は勿論、香港、シンガポール、パリでの多数のシェフ、ソムリエ、バーテンダーとの会話の中で、
今後の日本酒の売り先について以下の展望が見えてきた。
有望な先の順として;
・スイーツ/パティシエ
・高級レストラン/シェフとソムリエ、そしてレストランのバーテンダー
・富裕層またはワインコレクター
共通して言えるのは、自分の提供している技術とサービスに絶対の自信のある先。
そして、自分を感動させてくれるなら、お金を払いたい、という顧客。

次ぎに、売るための心得というか、心構えも見えてきました。
上記の売り先の対象先はみな自信家です。自分の経験、技量、知識、どれをとっても申し分のない素晴らしい才能の持ち主の方々です。
そのような方々を目の前にし、自分の製品に対して絶対とも言える「造り手の矜持」がなければなりません。
世界中に顧客を持っている上記の対象先の方々は、世界中のこだわりの顧客を日々相手にしています。
当然あらゆる角度からの評価・批評にさらされております。だからこそ彼らに対してはあらゆる角度からも絶対的な説得力のある商品プレゼン能力が不可欠となります。

3つ目が世界のあらゆるルールや、論理に則って商品説明ができるか?です。
最近感じているのですが、語学センスがとても重要となってきています。
語学と言っても巷に溢れている"ネイティブ・スピーカー"のように話そう、というのではありません。
たとえば英語。英語と言っても本場ブリティッシュ・イングリッシュとアメリカン・イングリッシュでは、
会話や笑いのポイントやセンスに、まるで大阪人と東京人(?)との会話以上の違和感があり、
実際のビジネスコミュニケーションにおいて、相互理解の点で難しさがあります。
またシンガポールのシングリッシュ、オーストラリアの英語、カナダの英語など、単語事態の意味が違っていたり、発音がまったく違っていたり、
上記の英国と米国では同じ意味の言葉のスペルの最後が違っていたりなど、例を挙げたらきりがありません。
また当然同じラテン語系でも英語とヨーロッパの大陸系、つまりフランス語、イタリア語、スペイン語には頭の中での理解するロジックが大きく異なります。
例えばですが、料理用語。特にフランス語の語彙の豊富さは圧倒的です。
一方英語での料理的味覚的表現にはフランス語を知っていると、表現にかなりの限界があることを感じます。
英語圏同士、また同じラテン語圏同士でさえ意味が通じにくいし、直訳が出来ていないという状況を考えると、日本語から各国の言葉に"直訳"は出来ないという結果が導き出されます。
更に言うと、日本語の文章表現の"直訳"は存在しない、とも言えます。
ならば、その国の言葉の似た表現や似た言葉を、その国のロジックに合致するように組み合わせ、しっくり理解できるように再構成しなくてはなりません。
ということは、実は日本酒の説明が、日本人がわかっているような理解を、日本国外の人々はほとんど理解されていないことになります。
実際、あらゆるシーンで意味が通じていなかったり、造り手が全く意図していない異なった言葉で表現されていることに出会うことがかなりの確率で行われています。
たとえば「フルーティー」という表現。けっこう皆さん、造り手さんもよく頻繁に使いますよね。
でもフランス人のソムリエのロジックからすると、非常に違和感のある説明となってしまいます。突っ込みどころ満載の表現となってしまいます。
文章で説明すると非常にややこしいのでここでは割愛させて頂きます。

4つ目。これがもっとも重要です。
よく日本酒の飲み手や日本酒通を語っている人々がいろいろなことを述べております。
酒は嗜好品なので、自由に楽しく語り合えばいいと思っております。
大抵の日本酒通は、日本酒はどんな料理にも、なんでも合うことを知っております。
ところが、果たしてそんなに簡単なことでしょうか?そして本当にその通りでしょうか?
答えは"NO"です。以下二つの理由でNOです。
1つ目は日本人の悪いクセで、自分たちはわかっている。と思っていることは大抵外国の人には通用しないと言うことを理解していないことです。
世界はそんなに日本人の味覚に同情などしません。納得いく説明をかならず求めてきます。
そんなときに「そんなのわかるだろ?」なんて言葉は一切通用しません。
相手の国の味覚の文化・歴史・調理法・表現方法・食材等、熟知していることが前提で、はじめて外国人に説明が可能となってきます。
2つ目は、日本酒はなんでも合う、といいますが、造り手から言わせるとそうではありません。
正確に言いますと、あらゆる料理と食のシーンを想定して酒質設計する。だからその料理にあってくるのです。
料理や食材の味の幅、厚味、ボリュームに合わせ、酒が料理に勝つ、負ける、または合致する。その料理のどの甘味?旨味?酸味?といったどの味わいを増幅させるのか、まとまるようにするのか、馴染むようにするのかなど、全て酒質設計の段階で念頭に入れておかねばならないことなのです。
ただ、伝統的な製法で仕込んだからどんな料理にも合うなんて、正直幻想です。
たまたま仕込んだものが、特定のいくつかの料理にたまたま合った、という結果的にそうなるというなら理解できますが、
はじめからあらゆる料理に合うという日本酒の幻想は、世界中のプロ相手に通用するわけがありません。
なので、「日本酒だから」とは外国マーケットには全くの的外れな表現としか、正直言いようがありません。
ワインは葡萄の葡萄の出来が酒質や品質を左右しますが、日本酒は全くの逆。つまり原材料の出来よりも醸造技術が優先する酒なのです。
技術が最優先である以上、ある意味、腕とセンスがものを言う料理人と同じスタンスであると言うことを自覚しなければなりません。
ここをしっかり押さえておかないと、外国人にとっては、特にプロの外国人にとってはトンチンカンな説明で終始してしまう事態に陥ってしまいます。

結論
今の日本酒の世界進出に関して、よく何処何処の都市は既に飽和状態である云々という方や表現をたまに耳にしますが、
私の意見はまだまだこれから。まだ始まったばかりです。
ですので上記の表現を言う方がいましたら、それは量販的な視点で、チープな安い商品を大量に売るだけの意見です。
ところが、真に"國酒"としての海外での認知度、教育という視点。また彼らの文化に根付くという視点では殆どの国が全くの"未開拓"状態であると断言できます。
ですので是非、マーケットをしっかりと見据えた酒造りを行い、決して相手に屈しない造り手のプライド、そして説得させるための語学センスを持ち合わせていれば必ず光明が見えてくることでしょう。
つまり、1つ目の売り先に挙げた高級レストランや富裕層に対しては、こちらもプロである以上、最高の商品をプレゼンし、同時に日本の文化・歴史的側面や日本の大いなる自然の恵み(日本酒のテロワール)についても言及する必要があります。
一方、物価の関係上、安い商品しか売れない未開の地や発展途上の国々関しては、量販的なアプローチと、長い意味でマーケット層の構築を考えているならば上記のアプローチを合わせて行うことをオススメ致します。  

Posted by 勝山 at 17:46Comments(0)イベント海外戦略

2013年10月30日

10月30日の記事

http://www.youtube.com/watch?v=y2fZFTBhSkU

上記をクリックしてください。

10月28日放映の仙台放送でのニュースを視聴できます。

3分弱なので是非ご覧ください。

そして日本酒、国酒の文化的価値創造と付加価値、地位向上の為の活動にご理解とご賛同を得れれば幸いです。

  

Posted by 勝山 at 23:25Comments(2)

2013年10月29日

400年ロマン復活!

「400年前に政宗公と家臣達、領民達も食し、飲んだであろう、
 酒と米を 400年進化した形であじわってほしい」

伊達家十八代当主のこの日頂戴したお言葉です。

この日、10月28日、ちょうど400年前の同じに日、

伊達政宗公の命を受けた慶長遣欧使節団がスペイン、バチカンへ向けて出帆しました。

伊達家御用蔵である勝山とJA仙台はこの記念すべき日をお祝いするため、

今回使用する原料米である仙台泉ヶ岳水系で育った環境保全米を

江戸の流通米の70%と謳われた「伊達家本石米(だてけほんごくまい)」の誉れ高い名を伊達家伯記念會の推奨により頂戴し、

千代から仙台平野を潤し恵みを与えてきた泉ヶ岳の美しい水のテロワールを讃え、

11月15日より“「伊達家本石米と様宗公の酒」プレミアムセット”の販売を決定、記者発表を共同で行いました。

政宗公のお酒には「元 Sapphire」「䴇 Sapphire」「戦勝政宗」「縁」の四種類に、「伊達家本石米」の新米3合分2袋が付いたセット内容となっております。

特に「元」は特A地区山田錦で醸したものはANA2010-2011年の長距離国際線ファースト・ビジネスクラスに採用され、

また2013年 The World's Best 50 Restaurant で第一位に輝いたスペインの三つ星 El Celler del Can Roca にも毎月60-120本納品しております。

今回この実績のある「元」を「伊達家本石米」にて醸しました。

また「䴇 Sapphire」の最上位酒で特A地区山田錦「DIAMOND LEI」は2013年LONDON SAKE CHALLENGEにてゴールドメダルを獲得しております。

「元」は藩政時代のレシピを伊達に洒落たテイストで現代風に再現しました。

しかしながらただの再現では野暮。今の息吹を吹き込むことで今の人に感動を呼び起こす、これこそが「伊達な心意気」であります。

一方「䴇」は更にその藩政時代のレシピを応用し、政宗公が出版前にスペイン人宣教師達に当時の西洋料理を饗していたように西洋料理に合わせ得るために酒質設計を施した国際戦略酒と位置づけております。

今回のプレミアムセットには、単なる原料米と酒、という安直なくくりではなく、

日本酒のテロワールは「水」であること。そしてこの美しい軟水溢れる瑞穂の国の原風景を知ってもらいたい、

そして同じ400年間の1611年の慶長三陸沖津波の震災復興として国内では開墾と増石(実に62万石から100万石)、国外ではメキシコとの貿易による富国政策として復興事業が行われました。政宗公は400年前に復興の矛先を国際社会へ向けておりました。

奇しくも出帆から400年後、今度は政宗公之酒が香港を皮切りに、イギリス、アメリカ、フランス、スペインへと旅立ちます。
「政宗公之酒」が世界へ羽ばたきます。

以下は28日夕方6時23分より3分間放映された記者会見の模様です。仙台放送のスーパーニュースからの画像です。










下の写真は本日の読売新聞朝刊です。同じ日に「沢村賞」を受賞された「マー君」、視聴率が仙台地区で50% を越えた記事の下に掲載されております。


今回お世話になりました、伊達家伯記念會 伊達家十八代当主をはじめ、JA仙台 阿部常務様、そして生産者代表 品川様、そしていつもお世話になっている升谷さまへ、この場を借りて御礼申し上げます。  

Posted by 勝山 at 09:23Comments(0)伊達家行事