2013年11月24日

國酒の海外戦略考 その3蔵元の資質(2)

前回の続きです。

さて国際社会で一点突破し、國酒への教育と普及を確固たるものにするために必要な蔵元の資質の続きです。

3)料理の知識が豊富であること。
4)ワインの知識が豊富であること。
5)上記を網羅した上で、外国人の目線で、彼らの言葉で理解しやすいように日本酒の絶対的な長所をはっきりと説明できること。

3)料理の知識が豊富であること。
その昔、蔵元の息子が農大に入り、醸造学を学び、蔵を継ぎ、一部の卸や酒販店や愛好家が応援し、スターダムにのし上がる、というサクセスストーリーがありました。
でもこれは国内での話。
國酒の海外戦略では酒のクオリティーを国際競争力をつける!という点では上記のストーリーは有効です。
でもそれだけでは今後の国際戦略では不十分と断言します。

ズバリ!これからの蔵元は「食」に精通しなければなりません。
「食」ーつまり、料理の知識です。
そして料理の知識ですが、ざっと以下の知識は最低限の必須項目なので、各項目で最低1時間は自分の言葉で情熱的に語れるようにしなければなりません。
・日本の食の歴史について
・日本料理とその調理法について
・日本の稲作について
・日本の水について
・日本の作法、お酒や料理についての作法や箸の正しい持ち方の指導を含めた作法についての総合知識
・フランス料理とその調理法について
・イタリア料理ならびにスペイン料理とその調理法について
・中華料理をはじめアジアの料理と調理法について
・レストランのメニューを読み解ける知識
・パンやチーズ、デザート、チョコレート、など総合的な知識
・レストランのサービスやマナーについての知識全般
・世界中の食材の知識:肉、魚、野菜、ハーブ、穀物、スパイスやトリュフ、フォアグラ、キャビア、バルサミコ酢やオリーブオイル等の高級食材等々
・食に関する世界中のエピソードやマナー、その他文化の違いについての知識
いろいろ挙げますが、挙げだすときりがないですね。

日本酒だからと言って、日本料理だけ知っていれば十分とお考えの方は、正直国際的なPRは無理です。
なぜなら日本酒と日本料理のフードペアリングは、当たり前過ぎて海外の各種アルコール愛飲家の興味と関心を引き事は出来ないでしょう。

文化交流とは、自分の文化を自信と誇りを持って紹介することであり、同時にお互いの違いを理解することで相互理解をと情報の共有を図ります。

それには最低限相手の国や隣国、文化圏における受け皿を頭だけではなく、身体での体験を通じて用意しておくことが必要です。
更に言うと、40才過ぎると、頭の創造力が大幅に低下し、体験からの情報でしかなかなか頭が追いついていかない状況になるので、
出来るだけ若いうちにあらゆる事を、あらゆる世界を、あらゆる人々との生の交流を通して身体でしっかりと体験しておくこと、そしてその習慣をオススメします。

4)ワインの知識が豊富であること。

もうこれは言わずもがな、必修科目です。

世界の醸造酒がワイン語で語られ表現され、理解されているからです。
ですので國酒の知識も、ワイン語で語れるようにしておかねば、相手を理解させることなど到底出来ません。

ただこれがなかなか一筋縄でいかない所が、ワインの奥の深い所です。
やはりあらゆる国の人とワイン語でワインの表現をすることを学ばなければなりません。

特にアジア人とヨーロッパ人ではお米に対する感覚が異なります。
ですので、國酒を表現する際、相手の目線や使用する専門用語で説明する努力と語学センス、そして度胸が必要です。

またフランス語が第一言語なので、フランス語のロジック、つまりフランス語を使用した場合の思考ロジックのコツを掴むのも大切です。
たとえば「フルーティー」。
よく國酒を説明する際、何気なくよく使用しますよね。
でも不注意に使用しすぎると足をすくわれます。
つまりロジックで考えるとこういう事です。
「フルーティー」とはその先に必ずより具体的な地域を示したり、フルーツの属性を表したり、そして具体的フルーツの名称、継ぎにそのフルーツが生なのか、火入れしてあるのか、ジャムとして煮詰められたものなのかなど、だんだん細かく細分化した説明が求められます。
つまり極論すると「フルーティー」とは「フルーツ」を形容する言葉であり、間違っても「穀物」を表現する言葉ではないのです。

とくに文法やロジックに気むずかしいフランス人には、こんな屁理屈で人の説明を平気ではしおるのは日常茶飯事です。
いつまで経っても話したい内容に到達できないという"議論のための議論"に迷宮に突入する羽目となります。

とりあえずオススメなのがソムリエの資格習得と、ソムリエ協会等の会合に積極的に顔を出すことです。
また、外国人のソムリエの方を見つけたら徹底的に話し込んでみて下さい。いろいろなヒントを頂けるでしょう!


5)上記を網羅した上で、外国人の目線で、彼らの言葉で理解しやすいように日本酒の絶対的な長所をはっきりと説明できること。

最後に、これが全てですね。
よく外国人に売り込む際、「あなたの酒の特徴は?」とテイスティングしながら質問されたらどう返答しますか?

まず一番最悪で、意味のない答えが、テイスティングに全く直結しない「造り」の話です。
日本での営業ではそれは欠かせない武器ですが、海外では意味不明な説明となってしまいます。

正直スペックなんて言うものや、日本酒業界しかわからない専門的なことはほどほどにしておかないと、直ぐに飽きられます。

一番大切なのは、なぜこの味を表現したのか。ということ。

そして、ここを味わって欲しい、ここの此の味に注目して貰いたい。とテイスティングに直結した上でのワイン語でのシンプルでテクニカルな内容でスッキリと相手がうなずけるような答えを事前に用意しておくことが必要となります。

と、なると、更に突き進めると、海外の人がわかりやすい國酒造りを行わないといけない!という酒質設計にまで遡ることにもなります。

その上で、外国人目線で自分の蔵の酒の最大限の長所をPRしなければなりません。

また「絶対的な長所」と私は挙げましたが、これは私の著書「MODERN酒道」「モダン酒道」に言及しておりますので、そちらに詳しく書いております。
國酒 勝山酒造の本HP → http://www.katsu-yama.com/products/index.html#shuppan

以上。


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