地震の爪痕

勝山

2011年04月09日 18:22

"ラプターピンチ!!"と昨日のブログに書きました。

多くの方から「ラプター大丈夫?」との問い合わせがありました。

ご心配頂き、本当に有り難うございます。


実は地震の爪痕は「遠心分離器」にまで及んでおりました。





"ラプター"の正否は勝山が世界に誇る奇跡の"遠心分離抽出"技術が勝負の鍵を握っております。

ところが、毎分1800回転の「遠心分離」の軸であるシャフトが損傷しておりました。

ちょうど仕込んでいる最中に震災に遭い、蔵人が危険と隣り合わせで仕込みを続行してきただけに、

最後の最後で非常にくやしい・・・・



先日は地元の日本酒愛好家に、

「そんな高価な酒、被災した人に買えとでもいうのか!」

「そんな馬鹿馬鹿しい酒造っている暇あるなら、さっさと酒を被災者に無料で配布しろ!」

「こんな時に酒を飲めとは非常識にも程がある!勝山など二度と口にしない!」との手厳しい意見も頂きましたが、

震災だからって、「夢」や「希望」を諦められるのか!!

被災したからといって、被災者感情に配慮したからといって、

自分の蔵を、また蔵を支えてくている大勢の人々、そして期待してくれている多くの人たちの「期待」「夢」「希望」を捨てろとでも言いたいのでしょうか?

ただでさえ、蔵が被災し損害を出し、蔵の経営が危機に瀕しているときに、無料で酒を配布するなど出来ません。
(まるで倒産しろ!と言っているようなもので、320年の歴史と伊達家御用蔵の最後の暖簾を下げ、伊達の酒の歴史に終止符を打て!とでも言いたいのでしょうか? 感情的になりすぎるにも程があります。)

被災者同士で負の連鎖を引き起こしてどうしたいのでしょうか?


確かに、今回の災害で、愛する人や家、希望、夢、全て流された方々が数多くいる。

かたや、同じ災害でも、幸運にも復興を果たせ、前進しようとしている多くの人々もいる。

しかし、人間として、地球上の生物として、生命ある限り積極的に前進すべきである!

失った人々の感情にあわせて、生命のある人まで「夢」「希望」を捨てるのは本末転倒である。

亡くなられた方々の分まで強く生き抜き、明日の未来を創ることこそが、

残された人の使命であるからこそ、私は積極的に前進する。


"ラプター"の件など些末なこと。

また挑めばいい。

何度でも転んでは、また起きる。

ただ素直な心で歩き続ければいいのだ。「夢」へ向かって。

関連記事