レオナルド・ダ・ヴィンチが愛したワイン
日曜日なので親父の書斎から本を拝借してお勉強。
紹介するのはこの本
"レオナルド・ダ・ヴィンチの食卓"
渡辺玲子著 岩波書店
1519年にその生涯を閉じたレオナルド。
1400中期から1500年初等の食文化をよくもココまで書き留めていたものだと、
ある種のショックを感じながら読み進んだ。
伊達家も凄いが、フィレンツェやミラノ、ローマでは伊達家よりも100年前にこんな凄い事になっていたなんて!
今更ながらに目から鱗&冷や汗状態で読み進んだ。
また巻末には、レオナルドの蔵書から
『佳き生活と健康』や
『養生訓』の要約が紹介されており、
現代にも通じる事柄が多数見受けられることは、非常な驚きであった。
たとえば現在SSIの利き酒師で進めている
"和らぎ水"(お酒のチェイサー)も
レオナルドの
『養生訓』第83章でこと細かに紹介されている。
またワインについての記述も非常に興味深く、
日本酒と同じで当時のワインも現代のものとはかなり異なったものであったようだ。
たとえば、こんなふうに
“年齢を考慮し、季節に応じた基準を用いるべきである。
冬には食事を多めにとって水で割らない生(き)のワインを少なめに飲むのが良く、
夏には喉の渇きを癒し、体が熱くなり過ぎないように、水で出来るだけ薄めたワインを飲む。”
また、年齢的には具体的にはこう、
“老人には水で割らない生のワインを、子供にはかなり薄めたワインを、
青年と中年にはほとんど薄めないワインを与えるべきである。”
また症状に合わせては
“多血質なら水割りワイン、胆汁質は辛口、憂鬱症は水で割らないワイン、
痰の出る人はコクのある上等で強いワインを飲むものである。”
では、
レオナルド自身はどのようにして飲んでいたのか?
“主義と好みから、私以上の水割りワイン愛飲者はいないのだ。”とも・・・・
また
レオナルドの一押しのワインとは!?
“ジェノバ・リビエラ周辺で産出されるリグーリアのワインを絶賛する。
実に繊細でこのうえなく美味であり、ネクタル(ギリシャ神話の神々の飲む生命の水)と形容するのを妨げるものは何もない。
トスカーナはサン・ジミアーノ周辺で産出されるものは特に素晴らしい。
特に称賛されるのはルクリーニ丘陵産のサン・セヴァリーノのワインで、
夏に大いなる涼味を提供してくれるこのワインは、ローマでは特に賞賛される。
トレッビアーノ種ワインの高貴さと洗練された美味で特に私を引きつけるが、この点でラ・トスカーナは傑出している。”
レオナルドは『養生訓』第16章で最高のワインについてこうも語っている。
“良いワインはあなたをよりよい状態にする。しかし黒ワインはあなたを怠惰にする。
軽い、透明な、年を経て熟成し、軽く発泡性のあるワインを水で少し薄めて、節度をもって飲みなさい”
当時はワインの酸化を恐れて大量に買い込むことをせず、その日に飲める量だけを買っていたとの記述があり、
レオナルドの時代と現代では全く異なる嗜好・習慣であったことは容易に推測できる。
いい加減、美味しいイタリアワインが飲みたくなったところで、夕食をごちそうになりに白クマ泰平社長宅にお邪魔した。
白クマ泰平社長は大のイタリアワイン好き!
期待して行ったら想定外のベルギービールが出てきた。
レオナルド曰く、
“ビールは酸っぱいものはよくない。よい小麦のペーストを発酵させ、必要にして十分な熟成されたものが好ましい。”
白クマ泰平社長のお薦めに上記に該当するような色の濃い熟成タイプがあった。
銘柄は忘れたが、レオナルドが飲んでいたであろうビールに思いを馳せることがほんの少し出来たことが収穫だった。
“ビールを飲むことはよい。しかし胃に負担をかけない程度にお飲みなさい” Leonardo da Vinci
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